WRC2021/01/31

ラトバラ、オジエのブレーキ感覚を絶賛

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTの新代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、誰もが手こずったラリー・モンテカルロのトリッキーなコンディションでセバスチャン・オジエがみせた際立ったスピードは、彼の優れたブレーキ感覚によるものだと語った。

 ラトバラほどオジエの強さを間近で見て知っているドライバーはいないだろう。フォルクスワーゲン時代、彼はチームメイトに追いつこうとして何度も破綻を繰り返しており、オジエのなにがすごかったのかをよく知っている。

 ラトバラは、モンテカルロの土曜日の朝にオープニングSSとして行われたラ・ブレオル〜セロネでみせたオジエのすごさをあらためて感じたと語った。

 オジエは前日のパンクで7.4秒差の2位でこの日をスタート、全域にわたって雪と氷に覆われたこのステージで首位のエルフィン・エヴァンスを1kmあたり1秒近く引き離す驚異的ともいえるベストタイムを叩き出し、チームメイトに10秒差をつけて首位を奪回、8度目のモンテ勝利にむけて大きく前進した。

 ラトバラは、このように難しいコンディションのなかでオジエが決定的な速さを生むのは、彼のブレーキ感覚が優れたものだと明かし、それは学べるものではなく、待っているか持ってないかの違いだと語った。

「セブに付いていくのは本当に容易ではない。モンテの土曜日の朝の最初のステージは、ただただ素晴らしかった。本当に最高だった」とラトバラは語った。

「あのようなコンディションで彼が築くことのできる差は、信じられないほどだ。彼はブレーキの感覚を持っている。彼とチームメイトだったときにそれを目の当たりにしたことを覚えている。僕たちのデータを並べてみると、彼と比べて自分がどこでブレーキを踏んでいるのかがわかった。僕にとっての問題は、ブレーキの感触をつかむために思いっきりブレーキをかけなければならず、ホイールがロックされてしまうことだったが、そういうことはセブには決してない」

「セブは本物のフィーリングを持っている。最もちょうどよい圧力でブレーキを踏むことができて、ブレーキ時のグリップの程度を本能的に理解できるんだ。このようなことは学べるものではない。持っているか、持っていないかだ。マシンのグリップを、身体が感じ取れるんだ。セブはその感覚を持っている。モンテで彼に勝つのがいかに難しいかを、今は反対側から見ることができる・・・」

「エルフィンは、ミスしなかった唯一のドライバーだったと思う。彼はとても成熟したドライビングで、ラリーの間、非常に強く、安定していたが、セブについていくのがどれだけ大変かについて語ることになった。その言葉を僕は分かる。僕はそれを知っているからね。セブについていくのは本当に容易ではないんだ」