WRC2017/03/17

ラトバラ、メキシコ試練も将来に前向き

(c)Toyota

 トヨタ・ヤリスWRCにとってラリー・メキシコは難しい週末となったが、ヤリ-マティ・ラトバラは、TOYOTA GAZOO Racing WRTが今後改善に焦点を当てなければならない分野が浮き彫りになったと考えている。

 ラリー・メキシコの金曜日のオープニングSSでは、エンジンのオーバーヒートによって減速を強いられるマシンが続出し、ラトバラのヤリスも水温が135℃まで上昇したために減速することになった。さらに彼はエンジンを冷却するためにいくつかのセクションを、ロードセクション・モードでドライブすることを余儀なくされている。

 けっきょくラトバラは、メキシコを6位でフィニッシュ、選手権のリードを失ったものの、彼はこの結果には全く落胆していない。

「エンジンは水を失ってダメージがあった」と彼は説明した。「サービスに戻れたのは奇跡だった。僕たちはエンジンの性能を落とさなければならなかったので、土曜日は、どうやって生き残ってステージを終えるかという戦いだった」

 ヤリスはエンジンの激しいオーバーヒートとともに、ブレーキとセンターディファレンシャルもオーバーヒートしたものの、ラトバラはチームにとって貴重なデータを得る機会になったと語った。

「エンジニアは、次に活かすことのできる良いデータを得たし、最終日にはエンジンのパワーを少し上げることができた。僕たちはブレーキの冷却についても学んだ。これまで十分な冷却を持っていなかったが、全体的に僕たちは将来に役立つ多くのデータを得ることができた」とラトバラ。

「まだやるべきことはある。改善が必要な分野は2つもしくは3つある。現時点で僕たちはまだ90%から95%、ほぼ90%の地点にいる」

 ラトバラはメキシコの最終日にはパワーステージの2ポイントと合わせて合計10ポイントを獲得したことに満足しており、現在選手権においてセバスチャン・オジエから8ポイント遅れの2位につけている。

「金曜日以降、まったく別のアプローチをとったので、パフォーマンスはそれほど速くはなかったが、この方法のほうが上手く行った。このエンジンで無理して挑戦するよりも、チャンピオンシップのポイントのほうがより重要だと判断した」

「今回の結果はおそらく、シーズン開始前に僕が予想していた結果に近い。それでも、僕たちはこのラリーから貴重なポイントを獲得し、選手権においては本当に非常に良いポイントとなった」