WRC2017/11/20

ラトバラ、2位表彰台の目前でクラッシュ

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのヤリ-マティ・ラトバラ は、今季最終戦のラリー・オーストラリアを2位でフィニッシュする目前で最終ステージでクラッシュ、リタイアに終わることになった。

 豪雨によってヘビウェットのコンディションのなかで始まった最終日、ラトバラはブッカのステージで首位のティエリー・ヌーヴィルに9.9秒差まで迫ることになり、逆転の可能性も期待されたが、コースコンディションの悪化でステージがキャンセルとなったことは彼にとっては不運だった。

 最後のパワーステージを前に二人の差は14.7秒。残された6.44kmのパワーステージで首位を奪うにはあまりにも短い距離しか残されてなかったが、ラトバラはアタックを敢行、左コーナーのイン側のバンクに乗り上げ、アウト側の立ち木にクラッシュ、表彰台を失うことになった。

「もちろん、このような形でシーズンを終えたくはなかった。しかし、これもまたラリーというスポーツだ」とラトバラは語った。

「今は前向きな気持ちになれなくとも、すべての経験から学べる事はあり、決して無意味ではない。パワーステージではチャンスを求めて全力でアタックしたが、全開で走ればこのような事も起こり得るものだ。リタイアする前まではいい戦いができていたし、今朝も序盤は1位との差を縮めることができた。結果を残すことができずチームに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年、チームは自分の予想を大きく超える素晴らしい体制を整えてくれた。心から感謝をしている」

 また、チームメイトのエサペッカ・ラッピは、初日のパワーステアリングトラブルで12位まで後退したが、最終日にはSS17とSS18で2番手タイムを記録し、パワーステージのSS21でも3番手タイムをマーク、上位陣のリタイアもあり、総合6位でフィニッシュした。

「大変な1日だった。午前中、突然大雨が降りあちらこちらに水溜まりができた。昨日に引き続き今日も1番最初にSSをスタートしたが、水溜まりでクルマはまるで船のように動き、まったくコントロールが効かない状態だった。それでも、何とか最後まで走りきることができてほっとしているよ。そして、昨日我慢してソフトタイヤを今日のために数本とっておいたこともあり、それにも助けられて良い走りができたと思う。今回の収穫は、このラリーでの経験を十分に積み、どのようにドライブしたら良いのか分かったことだ。シーズンを振り返るとスピード自体は十分にあったと思うが、ややアップダウンが大きく、それが自分の課題であると理解している。来シーズンの開幕を心待ちにしているよ」

 チーム代表のトミ・マキネンは、最終日のラトバラのリタイアは残念だが、チームとして素晴らしいパフォーマンスを発揮できた1年だったと述べている。

「このような形でラリーが終わるとは、誰も予想していなかったと思うが、同時に我々の今シーズンの結果を予想していた人もいなかったはずだ。我々の活躍を支えてくれたドライバー、コドライバー、そしてチームスタッフ全員に心から感謝したい」とマキネンは語った。

「オーストラリアは、今年我々が出場したイベントの中で、もっとも複雑なラリーのひとつだった。まず金曜日に問題が発生し、それを解決した。エサペッカは、土曜日と日曜日を不利なスタート順で走ることを強いられた。そして今日、ヤリ-マティはフィニッシュ目前でリタイアと、本当に大変なラリーでした。しかし、今日の残念な結果が、我々が今シーズン成し遂げた事の価値を下げるようなことはない。全体的には素晴らしいパフォーマンスを発揮できた1年だったと思う。とはいえ、決して気を緩めている訳ではない。我々は既に、来年に向けて全力で仕事を進めている」