ERC2022/09/25

ラリー・アソーレス、ERCカレンダーから外れる

(c)ERC

 ヨーロッパ・ラリー選手権の一戦として長年定着してきたアソーレス・ラリーは、2023年のERCカレンダーから外れることになった。

 大西洋の中央部に位置するポルトガル領のアソーレス諸島で行われてきたラリー・アソーレスはヨーロッパのラリー界で長く親しまれており、今年で56回の開催を迎えている。ラリー・アソーレスは1992年から2003年にかけてERCカレンダーに登場し、2009年から2012年にかけてインターコンチネンタルラリーチャレンジ(IRC)のシリーズの一戦に加わったあと、2013年からは再びERCのカレンダーに戻って開催されてきた。

 しかし、ポルトガルではターマック・ラリーのラリー・ファフェ・モンテロンゴが2020年のERCカレンダーに新たに追加されることになり、2021年には同じデモポルト・クラブが主催するグラベル・ラリーのラリー・セイハス・ド・ファフェがERCカレンダーに加わっており、ポルトガル国内で2戦のERCイベントが開催されてきたことから、将来はERCのステイタスはラリー・アソーレスに代わってファフェに集中することになると当時から噂されてきた。

 ラリー・アソーレスは来季についてERCカレンダーのステイタスを失ったことを発表、2021年末にユーロスポーツ・イベントからヨーロッパ選手権のプロモーターを引き継いだWRCプロモーターの決定に遺憾の意を表した。

「FIAヨーロッパ・ラリー選手権のプロモーターは、アソーレス・ラリー組織委員会に、このイベントは2023年シーズンの計画に含まれていないと通知してきた」と、ラリー・アソーレス主催者は声明のなかで説明している。

「WRCプロモーターの正当な理由として、彼らの意図はチャンピオンシップをより大陸に集中し、チームのコストを削減することであるとしている。アソーレス・ラリー組織委員会がチームのために無料の海上・航空輸送を確保しようと努力してきたにもかかわらず、プロモーターによると、チームは選手権の他のラリーと比較すると協力期間が長すぎると考えているようだ」

「WRCプロモーターを含め、すべての連盟がこのイベントを賞賛していただけに、予期していなかったこの決定は非常に残念なことであり、WRCプロモーターがアソーレス組織委員会に2023年と2024年のラリー継続の提案を提示し、交渉中であっただけに予期せぬこの決定は深く遺憾なことだ」

「それでも、アソーレス組織委員会は来年の第57回イベントでは、パートナーとともに、定評ある質の高いイベントを保証し、将来的には再びヨーロッパのトップラリー競技の一翼を担えるよう、引き続き取り組んで行きたい」