WRC2020/06/18

ラリー・エストニア、今秋にWRC開催か

(c)Toyota

 ラリー・エストニアとエストニア・オートスポーツ連盟は、今年の秋にエストニアで世界ラリー選手権ラウンドの開催に向けて努力を続けていると共同で声明を発表した。

 新型コロナウイルスによって世界ラリー選手権のカレンダーはすでに5戦がキャンセルとなったため、FIAとWRCプロモーターは世界選手権のタイトルを成立させるためには最低でも7戦は行わなければならないという方針のもと、新しいヨーロッパのイベントを加えたWRCカレンダーの改訂版をこの数日のうちにも発表すると見られている。

 すでにラトビアのラリー・リエパーヤとともにベルギーのイープル・ラリーがWRCプロモーターとの間で協議があったことを公式に認めていたが、水曜日の夜、ラリー・エストニアとエストニア・オートスポーツ連盟は共同で声明を発表、エストニア史上初のWRCラウンド開催への扉が数日のうちにも開かれるかもしれないと発表した。

 ラリー・エストニアは昨年の成功を受けて今年も7月にはふたたびWRC公式プロモーションイベントとして10周年記念イベントを開催する予定だったが、エストニア・オートスポーツ連盟とイベント開催登録申請料をめぐって対立、2月に今年のイベント開催を断念したことを発表している。

 しかし、その後、DirtFishのスポンサードを受けた新しいラリーDirtFishオテパーが8月にエストニアでの開催にむけて準備を行うことを発表したことから、当初はこれまでに一度も開催されたことがなかったラリーDirtFishがWRC候補とも噂されてきた。

 ラリー・エストニアのディレクターであるウルモ・アーヴァは、一度は今年のラリー開催を断念したと発表したが、いま確かな手応えをもってエストニアに世界ラリー選手権を招くための準備を関係者とともに行っていると説明した。

「この10年間、私たちはエストニア政府やスポンサーと一緒にチームとラリーを作り上げてきた。2014年のラリー・エストニアはヨーロッパ・ラリー選手権シリーズの中で最高のラウンドとなり、この称号は私たちに多くの国際的な扉を開いてくれることになった。ERCでの3年間の成功を経て、私たちのチームは前に進み、ラリーの最高レベルであるWRCを目指したいと感じている」

「2017年から仕事を始め、翌年にはテストラリーを開催し、2019年には第1回目のWRC公式プロモーションイベントを開催した。この数年、私たちはFIAとWRCプロモーターに魅力的で安全なラリーを提供できる強固な基盤を築いてきた。2020年にエストニアでWRCラウンドを開催するという提案をWRCプロモーターから受けていることは確かなことだ。いくつかの機関に申請書を提出しているが、回答は数日後に届くはずだ。その後、FIAやWRCプロモーターとの交渉を始めることができる」

「私たちの目標は、エストニアとエストニアのモータースポーツに最高のコンディションをもたらし、ここでWRCラウンドを開催し、世界的なカバレッジを最大化することだ。このイベントから最大の価値を得るためには、関係者全員が協力することが重要です。ラリー・エストニア主催チームとエストニア・オートスポーツ連盟の全員が、この提案を非常にうれしく、光栄に思っている。私たちの共通の目標は、エストニアを紹介し、経済効果をもたらす最高のイベントを開催することだ」

 エストニア・オートスポーツ連盟会長のヤニス・カールは、さまざまな過程を経て、いまエストニアのモータースポーツの発展のために全員が一致団結してエストニアでのWRC開催にむけて協力することになったと述べている。

「我々の状況はとてもいいものだ。世界チャンピオンに加えて、トップクラスのスポーツイベントをエストニアで開催するための強固な地盤を持っているからだ。ウルモ・アーヴァと彼のチームは、WRCレベルのイベントを開催できることを長年にわたって証明してきた。また、エストニア政府からも大きなサポートを得ており、感謝したい。このレベルのイベントを開催するには、行政からの資金提供がないと無理な話だ」

「新型コロナウイルスのパンデミックでスポーツは休みを余儀なくされているが、モータースポーツの将来について議論するいい機会を与えてくれた。一緒に協力を強化し、エストニアのモータースポーツの発展を支援する方法について理解に達した。これにより世界選手権のタイトルとともに世界選手権のラウンドをエストニアに持ち込むことができると我々は確信している」