WRC2020/11/17

ラリー・モンツアはWRCにふさわしいコース

(c)Monza Rally Show

 ACIラリー・モンツァのチーフ・セーフティ・オフィサーを務めるティツィアーノ・シビエロは、12月4日〜6日の世界ラリー選手権の最終ラウンドとしてモンツァ・サーキットをベースに開催されるイベントは、ラリーファンのためのスペクタクルなショーではなく、世界ラリー選手権にふさわしいコースになると自信をみせた。

 サルディニア主催チームであるオートモービル・クラブ・イタリア(ACI)が今季2戦目となるWRCイタリア・ラウンドであるラリー・モンツァの運営を手がけることになっている。イタリアの英雄ミキ・ビアジオンのコドライバーとして1988年と1989年に2度のワールドチャンピオンに輝いたことがあるシビエロは、これまで長年にわたってラリー・イタリアのルート設定を手がけており、これまでファンのためのショーとして開催されてきたモンツァ・ラリーショーを世界選手権のステイタスにふさわしいラリーに変え、開幕戦のラリー・モンテカルロと同じポイントを与えるにふさわしいコースのデザインについて責任を負った人物だ。

 ラリー・モンツァには、昨年までのモンツァ・ラリーショーのようにパイロンやコーンはなくなる。つまり、パイロンに接触した場合のペナルティもない。シビエロは、モンツァ・ラリーショーをWRCにふさわしいステージの設定が可能かどうか、かなりの議論があったと認めている。

「我々が議論したことは、そもそもファンのためのショーをベースにした最初のコンセプトから、最高のドライバーと最高のマシンがイベントに勝利し、新しい世界チャンピオンとなるに相応しい本物のラリーへと移行することだった」とシビエロは語った。

「つまり、実際の複雑で難しいステージを走るということだ。この哲学に従えば、これまでペナルティを課していたサーキット内のコーンなどはなくなる」

 ラリー・モンツァは、木曜日と金曜日のレグ1と最終日のレグ3をモンツァ・サーキットのコースを使い、木曜日のレグ2についてはサーキット北東部のロンバルディア州の一般道道路を使用する。シビエロはラリー・モンツァのステージの概要について説明する。

「木曜の夜に行われるスーパーSSは、すべてピットストレートで行われる。しかし、金曜日以降にサーキットで行われるステージA(ジュニア)、ステージB(ロッジア)、ステージC(グランプリ)、ステージD(セッラーリオ)の各ステージは、様々なコースとサーキット内の道路の両方を組み合わされ、すべてのステージに(旧オーバル・コースの)高速のバンクの走行が含まれる」

「目新しさは、スーパーSSとグランプリ・ステージだけがオールターマックで走ることになり、サーキットの他のステージでは、いくつかグラベルのセクションをコースに使用している。特に最終日のセッラーリオ・ステージはパワーステージでもあり、より多くのグラベル・セクションが使われている」

 土曜日に行われる一般道でのステージが今回のラリー・モンツァの成功を左右することになると言われており、もう一つの選択肢であったコモではなくベルガモに向かう。

「ロンバルディア州全域のタイムセクションを見に行ったが、一番気に入ったのはベルガモ地区のステージだったと言わざるを得ない」とシビエロは次のように付け加えた。

「これらのステージは、ドライブするには最高の3つのステージだ。全体として評価すると、非常に速いセクションがあり、高速だが、山の中の道を走るので、ナローでスローなセクションもある。路面の変化やグリップの変化を伴いながら、ワイドなところからナローなところまで様々なコースがある」

「細かく説明すると、セルヴィーノの最初のステージは、ターマックの変化に伴いリズムの連続性があり、上り坂から下り坂へと進み、最初は広く、その後はナローな道を走る。日陰になっていたり、葉っぱが茂っていたりと、滑りやすいセクションもあり、まさに世界選手権のステージだ」

「2番目のステージのジェローサは、スタートは上り坂で短くて速いが、走り方とペースの取り方を知らなければならないので、大きなギャップが生じやすい」

「3つ目のステージのコスタ・ヴァッレ・イマーニャは、ドライバーが最も恐れているステージだ。最初の部分がスローで、その後に非常に速い部分、非常に技術的なセクションがあり、レーストラックのように伸びている」

「ステージは最後の下り坂で終わり、そこでは勇気が必要とされる。このセクションでは、正しいリズムと集中力を持って走らなければ、重要な秒数を失う可能性があることを証明している」

「日曜日は最初にグランプリ・ステージがあり、その後、ドライバーたちは、サーキットで開催される他のスペシャルを混ぜ合わせたステージDと呼ばれるセッラーリオに立ち向かうことになる」

「開催されているステージに応じて、サーキットのさまざなま地点を両方向に通過することになる。だからこそ、サーキットでも正しいペースノートの作成が非常に重要になることは間違いない」