WRC2021/09/13

ラリー後会見「とてもタフで長い一週間」

(c)Toyota

(c)Hyundai

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―カッレ、優勝した今の気持ちを聞かせてください。

カッレ・ロヴァンペラ:「最高だよ。とてもタフなラリーで、長い一週間だった。レッキで多くのステージを走り、オンボードビデオを見ながら長い夜を過ごした。このような結果でゴールできたことは本当に嬉しい」

―時には別次元の走りを見せていました・・・。

ロヴァンペラ:「金曜日はフィーリングが素晴らしかった。その後、セットアップの変更を行い、土曜日はステージが変わったので、さらに調子が良くなった。自分のペースで走ることができたので、ドライブを楽しむことができた」

―昨日の変更について教えてください。

ロヴァンペラ:「(路面が荒れる)ループの2回目の走行のために、プロテクションを変更した。トラクションを失ったが、それほど大きな損失ではなく、かなり安全だった」

―ラリーを優勝し、パワーステージも優勝しましたが、最初からあれほどハードにプッシュする計画だったのでしょうか?

ロヴァンペラ:「計画は、どんな感じなのか見てみることだった。最初の走行では、とても良いフィーリングが得られて、かなり楽しむことができた。ソフトタイヤを4本装着していたので、これなら上手くいくだろうと思っていた。いくつかのコーナーを回ったところで、フィーリングが良かったので、プッシュすることができた。プッシュできて嬉しかったし、良いステージになったと思う」

―さて、次はあなたのホームラリーであるフィンランドですが、プレッシャーや期待はいつも以上に大きいですか?

ロヴァンペラ:「プレッシャーはまだないが、ホームラリーというのは(他のラリーとは)常に異なる。たくさんのフィンランドのファンがいて、僕が普段住んでいるフィンランドの街が舞台だ。本当に熱気を感じられる特別なイベントだ。厳しい戦いになると思うが、楽しみたい」

―オイットが個人的な理由で欠席のため、マルティンが代役を務めています。マルティン、アクロポリスは予想通りの厳しい挑戦でしたか?

マルティン・ヤルヴェオヤ:「カッレが言ったように、長い一日で、夜は短かった。普段なら、僕はもっと寝ていたい。レッキは新しいノートを作るには難しいコンディションだったが、最終的にはノートに問題はなかった。幸運にもラリー中のタイヤ選択がうまくいったことが、僕たちが2位を獲得できた理由だと思う」

―レッキはどれくらい大変でしたか?

ヤルヴェオヤ:「2日目の朝、少し暗く大きな雲があった。レッキを始めたところ、1台が止まり、また1台が止まり、そして全員が止まった。しかし、このまま待っていても改善する見込みはないと気づいたので、そのまま続けるしかなかった。2回目の走行では、霧もなく日差しが射していたので、ずっと良かった」

―パワーステージの前にマシンを始動させたときのことについて教えてください。

ヤルヴェオヤ:「オイットが頑張った!(マシンがなかなか始動せず)ゲームオーバーのように思えたが、その後動き始めて、それが最後になった。スイッチを切ったらもう動かなくなってしまったので、それが本当に最後だった。スタートまで3秒あったが、彼はまだいくつかボタンを触っていた。それによってリズムが悪くなって、少しタイムを失ったかもしれない」

―期待通りのアクロポリス・ラリーでしたか?

ヤルヴェオヤ:「ラリーに参加するにあたり、コドライバー側から見て厳しいものになるだろうと予想していたが、もっと厳しいかと思っていた。道はとても素敵で、ラリーも素晴らしかった」

―セブ、このリザルトは選手権のために良い弾みになりますね?

セバスチャン・オジエ:週末を通しての戦略だった、金曜日はとても好調なスタートが切れた、路面掃除をしながらもトップに迫ることができたこと、これは予想よりも良かった。土曜日の朝は正しいリズムでスタートすることはできたが、レッキでいつも苦労しているセクション、グリップがいろいろ変化があって視界が悪かったセクションでは、自分の安心領域の中に留まり過ぎてしまった。それと同じ頃、カッレは飛んでいたしオイットも本当に速かった。1日目にティエリーとエルフィンに起こったことを考えると僕はクレバーでいなければならなかった。そこで自分のエゴは一旦おいて、彼らには行ってもらうことにした。あまり楽しむことはできなくても、クレバーなレースをして、選手権のためにポジティブになれた。本当に疲れたよ。僕はもっと若い人たちのようにビデオで長時間夜を過ごすことにそんなに慣れていないし、今はちょっと疲れ果てた感じだ。レッキは本当に大変だったし、ビデオで確認しなければならないことがあまりに多くて夜もあっという間だった。今晩はよく眠れそうだ」

―今朝の最初のステージでカッレのタイムを見た時はどう思いましたか?

オジエ:「フィニッシュラインでは、ハイスピードのレッキという感じだった。正直、タイムを失うだろうと感じる、でもそれが1キロあたり1秒でも速くなれば適正なタイムだ。プッシュしていない時はそのステージで自分にどこまでできるのかを予測するのは難しい、この瞬間、僕は言った。この戦いの中に入っていなくて良かった、リスクを冒さなくてもいい。フィニッシュまで行けばいいんだ」

―次は秋のフィンランドですが、かなり違ったラリーになりそうですか?

オジエ:「また違ったチャレンジになるかもしれない、何があるのか誰にも分からない。ヤリならもしその時期にやっていたら教えてくれるかもしれない、でも僕たちの世代にとっては新しいものだ。少しテストしてみて、もっと寒いコンディションが予想されるかもしれない。少し湿った状態であることを期待したい。これまでの9戦のラリーを走ってそのうちの7戦で道路掃除役として不利な状況だった。もう最後に控えるターマックイベントが楽しみになってきた。フィンランドに関してはヤリスが誕生した土地なので、パフォーマンスは高いはずだが、それでも厳しい戦いになることを予想している。カッレは、最近のパフォーマンスと自信を得たことで、思いきりプッシュしてくるだろう、オイットとヒュンダイの人たちも同様にプッシュしてくるはずだ。このラリーを僕たちがどんなアプローチで取組んでいくか、ではあるけど、僕は最も美しいラリーの一つであるこのイベントをとても楽しみにしているし、いつだってこの素晴らしいクルマで走れるのは楽しいものだ」

―ヤリ、秋のフィンランドについて聞かせて下さい…

ヤリ-マティ・ラトバラ:「8月の終わりに走ることはあったけど、10月は今までにない。この時期は道の状況も違ってくる。この20年はずっと夏開催だった、7月と8月初旬で陽気は暖かく、路面をルースなグラベルが覆っている状況だ。寒くなってくると少しウェットで湿気も出てくるが、天気については分からない。ドライバーたちは異なるクリップレベルに対応していかなくてはならない。セブが言っていたように路面掃除の効果の話になってくるが、(湿った状態で後方で走ることに)あまり利点はないし、もうひとつのトピックが暗闇での走行で、これは1990年代以降やっていない」

―カッレの輝くパフォーマンスですね?

ラトバラ:「このイベントに来て最初のステージでうちのドライバーたちを見た時、もうすでに本当に本当に嬉しかった、彼はみんなトップレベルでスタートした。残念ながらエルフィンに問題が発生して、彼のラリーはうまくいかなくなってしまった。セブは王者らしい走りで、選手権に勝利する方法を心得ているし、カッレはとにかくアメイジングだった。エストニアで、新たなフライング・フィンが誕生した、と言ったが、ここでは彼がさらに高く飛んでいたよ」

―今朝の最初のステージの時はどう思いましたか?

ラトバラ:「自信を持つことが必要だ。そういったコンディションだった、自分でも覚えているが、自信があればそこで差がつけられる。当然、我々は彼がクルマをコースにキープできるのかと心配もあった。でも彼は僕よりもずっと冷静だった、自分の感情を抑えることができている」

―見ているのは大変でしたか?

ラトバラ:ベルギーはベストなレースではなかった、ヒュンダイがポイントを多く獲得していて、我々がポイントをたくさん必要なことは分かっていたからね。それを獲れなかったら、フィンランドに向けてかなりのプレッシャーがかかるところだった。見ているのはすごく緊張する、何も問題がないように、そしてコースから外れないように、と願いながらね。それはドライバーだった時よりも大変かもしれない」

(フロアからの質問)
―カッレは完成したラリードライバーですか?

ラトバラ:「スノー、グラベル、ターマックを走れれば、完成したドライバーと言えるだろう。カッレはすべての路面でパフォーマンスを発揮している」

―ロヴァンペラは世界チャンピオンの素質がありますか?

ラトバラ:「昨年はフルシーズンとは言えないのでカウントしないとして、WRCに初めてフル参戦した年に2勝目を獲得できるのだから、チャンピオンになる素質は十分あるはずだ。しかし、セブも知っているように、選手権を優勝することは難しいことだ。ちょっとした運も必要となるし、すべてが揃わなければならない。しかし、カッレがキャリアの一歩を踏み出したことは確かだ。彼の素晴らしい勝利を今後何度も目にすることになるだろうが、あまりプレッシャーをかけずに一歩一歩進んでいきたい」

―セブ、彼のパフォーマンスについてはどう思いますか?レベルが上がっていますか?

オジエ:「カッレはすでに昨年の非常に早い段階から、良いペースと才能を示していた。彼は進歩を続けているが、最初から非常にレベルが高かった。ほとんどのラリーで競争力を発揮しているし、そのタイムを見ると脱帽する。今回の勝利は当然のことだ。チャンピオンシップやラリーで勝つためには多くのことが必要だということは誰もが知っているので、それらの質問には意味がない。彼は多かれ少なかれどこででも(ラリーに)勝つ可能性があるので、将来が楽しみだ。彼にはまだ何年も先があるからね」

―カッレ、この勝利は、エストニアよりも良かったですか?

ロヴァンペラ:「良かったかどうかを判断するのは難しい。エストニアでは、ここよりも少し(勝利を)期待していたし、誰もが僕たちが速くなること、僕たちのマシンが良いことを知っていた。このラリーについてはあまり知らなかったので、自分たちのペースに確信が持てていなかった。しかし、今年は新しいレースが開催されたことで、皆がステージを知っているわけではなく、誰もが新しいノートを作成し、そこから最初のループをドライブしなければならないので、そのことは僕たちにとって常に役立っている。過去からの経験を他のドライバーが持っていない時、僕たちは速く走れるということを示すことができた」