WORLDWIDE2021/10/03

ランチアECV2プロトタイプがイタリアで公開へ

(c)Stellantis

 10月2〜3日にかけて北イタリアのコモで開催される展覧会フオリ・コンコルソにおいてランチアが1980年代末に製作したランチアECV2プロトタイプが公開される。

 17世紀に建てられたヴィラ・デル・グルメロでは、自動車への情熱とメイド・イン・イタリーの素晴らしさを、文化やライフスタイルの面から紹介する展覧会フオリ・コンコルソの第2回目が今週末に開催される。今年のテーマは「ターボテクノロジー」で、自動車メーカーの博物館や個人コレクションが所蔵するターボエンジン搭載の量産車、レーシングカー、プロトタイプが展示されることになっている。

 ランチアECV2プロトタイプは、アルファロメオ、フィアット、ランチア、アバルトといった自動車メーカーを束ねるステランティス社が設立したヘリテージ部門が所蔵している一台だ。同部門は、同ブランドのビンテージカーやヒストリックカーを回収して修復保存することを目的として2015年に設立、ステランティス・ヘリテージ・コレクションには現在、600台以上が所蔵されているという。

 ECV2プロトタイプは、グループBラリーカーのランチア・デルタS4をベースとしてアバルトが開発していたグループSマシン、ランチアECVを進化させたマシンだが、世界ラリー選手権はすでにグループA時代へと舵を切っており、あくまでもプロトタイプマシンとして製作されたものだ。

 ECV2プロトタイプは丸みを帯びたスタイリングをもち、あまりアグレッシブな外観を持っていないことがデザイン的な特徴だ。主要ボディのほか、クランクシャフトやホイールリムなどのパーツの一部に炭素繊維パネル、ハニカム構造、硬質発泡フォームなど複合材が使用され、デルタS4と同等のねじり剛性を維持しながら、20%以上の軽量化を実現している。1759ccの4気筒エンジンを搭載し、インタークーラー付きツインターボチャージャーと、モジュール式圧力制御システムという新しいテクノロジーにより、最高出力600ps/8,000rpmを誇り、最高速度は220km/h、0-200km/h加速はわずか9秒を達成すると発表されている。

 ヘリテージ部門責任者、ロベルト・ジョリートは次のようにコメントしている

「このようなイベントに参加することは、私たちにとって名誉なことだ。私たちは、自社ブランドの歴史的・技術的遺産をできるだけ広く知ってもらうことを目指している。ステランティス・ヘリテージ・コレクションから現在、フオリ・コンコルソ においてランチアECV2レーシング・プロトタイプを展示している。世界ラリー選手権のレギュレーション変更により競技で使用されることのなかったユニークなモデルだが、最高のパフォーマンスを達成するために革新的な技術ソリューションを採用したことで、今もなお人々を魅了し続けているモデルだ。ランチアECV2は、テクノロジーとスポーティさにおいて、メイド・イン・イタリーの価値を体現している」