WORLDWIDE2020/09/28

リンドホルム、惜しくもフィンランド初王座を逃す

(c)Emil Lindholm

(c)Emil Lindholm

 エミル・リンドホルムは、9月25-26日に開催されたポーヤンマーSMラリーをアクシデントで終えることになり、惜しくも初めてのフィンランド・チャンピオンを逃すことになった。彼の父親は6度のフィンランド・チャンピオンに輝いているセバスチャン・リンドホルムだ。

 フィンランド・ラリー選手権は新型コロナウイルスの影響によって今季は全5戦で争われることになり、先週末にセイナヨキで行われるポーヤンマーSMラリーで最終戦を迎えることになった。9月の第1週に開催されたSM OKオート・ラリーで今季3勝目を飾ったリンドホルムは、選手権を7ポイント差でリードして、初タイトルが期待されて最終戦をスタートすることになった。

 ナイトポッドを装着して臨んだ金曜日の最初のステージから選手権を争うテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)がベストタイムで発進、TGSワールドワイドのシュコダ・ファビアRally2エボを駆るリンドホルムは4.7秒差の3番手タイムでやや遅れて続くことになった。

 それでもリンドホルムは初日の最終ステージでベストタイムを奪い、アスンマーから3.2秒差の2位へと浮上し、最終日に残された6ステージにすべてを賭けることになった。

 リンドホルムは迎えた最終日、ややスロースタートとなり、アスンマーに4.7秒のリードを与えたあと反撃に転じ、SS5、6と連続してベストタイムを奪って1.5秒差の背後にぴたりとつけることになった。

 しかし、迎えた運命のSS7では走行中にボンネットが開いてしまうトラブルが発生、彼は高速右コーナーでイン側の土手から掘りだされた石に乗り上げて横転、マシンは何度も転がって大破することになり、リタイアに追い込まれることになってしまった。

「このミスが何故起きたのかは自分のノートに書いてある。ボンネットが開いていたのはもちろん視界には不便だったが、走行には全く影響はなかった。普通に曲がり角を見てブレーキをかけ、イン側のディッチにタイヤを落としたときに、前輪が土手から掘り出した大きな岩にぶつかってしまい、マシンはすぐに横転し始めた。どうすることもできなかったよ」とリンドホルムは語った。

「道路の端は湿って本当に滑りやすいので、クリーンなドライビングラインで走らなければならなかったが、あのコーナーのイン側に岩が出ていることに気づかなかった! チャンピオンシップのために全力を尽くしたが、今年はまだ自分たちの年ではなかった。あのコーナーまでは、本当に良い戦いができていて、計画通りに進んでいただけに残念な結果になってしまった」

 ポーヤンマーSMラリーは、アスンマーが今季初優勝を飾り、2年連続で3度目のフィンランド・チャンピオンに輝いている。

 リンドホルムは今週末は、チームMRFタイヤからERC初開催のラリー・ファフェ・モンテロンゴに挑む予定だ。