ERC2019/03/23

ルクヤヌク、アソーレスで40秒差をつけて独走

(c)ERC

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 2019年ヨーロッパ選手権(ERC)開幕戦ラリー・アソーレスは金曜日にレグ2を迎え、サンテロック・ジュニアチームのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)がこの日行われた6ステージのうち5ステージでベストタイムを奪って首位を快走、2位に浮上した地元サン・ミゲル島出身のリカルド・モウラ(シュコダ・ファビアR5)に40.1秒の大差をつけてリードしている。

 ドライコンディションとなったアソーレスの二日目、滑りやすいグラベルにはかき出された石が転がるという難しいコンディションのなかで、朝からトップドライバーたちに波乱が連続することになった。

 2Cコンペティションのシュコダ・ファビアR5を駆って、初日ルクヤヌクから3.1秒ビハインドの2位でスタートしたピエール-ルイ・ルベーは、オープニングSSのピコ・ダ・ペドラでは7番手タイムと慎重なスタートを切ったが、SS5セテ・シダデスでスピンしてフロントをバンクにヒット、リバースギヤを使ってどうにかコース復帰はできたものの首位から38秒遅れの4位へと後退することになってしまう。

 また、2014年のアソーレス勝者であるベルナルド・ソウサ(シトロエンC3 R5)もSS4のパンクのあとSS5で横転して、早くも優勝争いから完全脱落することになってしまった。さらに昨年のジュニア勝者であるクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)までもがSS5のスピンで40秒の遅れを喫して4位から6位へと後退している。

 ライバルたちの混乱のなか、ルクヤヌクはSS4、SS5を連続してベストタイムで発進、SS6ビスタドレイではエンジンストールをさせて7番手タイムに終わるも、2位のモウラに19.2秒差をつけて朝のループを終えることになる。

 ルクヤヌクはラリー前、新しいC3 R5を50kmもテストできなかったため、ハンドリングに明らかに戸惑いながらのスタートだったが、午後のループでも4つのステージすべてでベストタイムを奪って40.1秒をリードしてこの日をフィニッシュ、ステージエンドでフィーリングが少しずつ改善してきたと笑顔をみせている。

「(SS6で)エンジンを2度ストールさせた以外はすべて順調だ。C3はフィエスタとはかなり異なるため、僕らはドライビングスタイルを少し変えて走ってきたが、どんどん楽しく走ることができた。ドライビングにもマシンにも満足しているよ」

 2位のモウラの後方6秒差にはスポーツ・レーシングテクノロジーズのシュコダ・ファビアR5を駆るウーカシュ・ハバイがつけている。彼の後方には、セテ・シダデスの1回目の走行でスピンによって4位に後退したルベーがSS6ビスタドレイのステージでベストタイムを奪ってじわじわとペースを上げて迫ってきたが、ハバイは4.9秒差でどうにかポディウムポジションをキープしており、「これまでのERCで最高の一日だった」と自身のパフォーマンスを評価していた。

 ルベーはERC1ジュニアでは首位をキープしており、21秒後方の2位には、彼と同じく朝のセテ・シダデスのスピンで遅れたイングラムが続いているが、彼は午後のループでもパンクに悩まされ、思い通りにいかない展開に悔しさをにじませていた。

 失望のラリーになったのはドイツ・チャンピオンのマリヤン・グリーベル(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)も同じだ。彼はSS4でオーバーシュートしたあとギヤやエンジンカットの問題を抱えて失速、午後のループでもリヤブレーキのトラブルに見舞われて首位からは1分26.1秒遅れの6位となっている。

 ERC2は、ロシアン・パフォーマンスのセルゲイ・レメニク(三菱ランサーエボリューションX)が前日に引き続いてリード、ホアン-カルロス・アロンソ(三菱ランサーエボリューションX)は最初のステージで壁にヒットしてパンク、さらにドライブシャフトの問題も重なって朝のループで7分30秒近い遅れを喫することになった。しかし、午後のループではレメニクがパワーステアリングに問題を抱えたあと、最終ステージを前にして電気系の問題でマシンを止めることになった。

 R2マシンで争われるERC3ジュニアは、ラリーチーム・スペインのエフレン・ヤレナ(プジョー208 R2)がリード、8.8秒差でFPAKポルトガル・チームのペドロ・アントウアニス(プジョー208 R2)が続いている。ADACオペル・ラリー・ジュニア・チームのエリアス・ルンドベリ(オペル・アダムR2)は初日4位、チームメイトのグレゴワール・ムンスター(オペル・アダムR2)も5位につけている。