ERC2018/07/23

ルクヤヌク、猛追バッソを下してERCローマに優勝

(c)ERC

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 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第5戦のラリー・ディ・ローマ・カピターレは22日に最終日を迎え、ロシアン・パフォーマンス・モータースポーツのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)がERC王者に2度輝いているジャンドメニコ・バッソ(シュコダ・ファビアR5)の猛追を振り切って7.5秒差で今季3勝目を飾ることになった。

 9時11分にスタートするSS9があまりに多くの観客が押し寄せたために安全上の理由からキャンセルとなり、最終日の最初のステージとなったSS10でバッソがベストタイムを奪い、15.8秒差だったルクヤヌクに対して一気に6.3秒差まで迫ることになった。

 ルクヤヌクは朝のループの最後のステージであるSS11で1.2秒を奪いかえすも、バッソも続くSS12で0.8秒を取りかえして勝負の行方はわからない。

 だが、SS13で総合4位をキープしていたパオロ・アンドレウッチ(プジョー208T16 R5)がクラッシュしてコースをふさいだために猛烈なアタックを敢行していたバッソは走行をキャンセルされてしまう。

 最終的にルクヤヌクを0.8秒上回るトップタイムがノーショナルタイムとして与えられたため、バッソはルクヤヌクに5.9秒差に迫ることになったが、SS14ではこの日2度目のベストタイムを奪ったルクヤヌクが7.1秒をリードすることになる。

 最終ステージはわずか0.65kmのスーパーSSのみ、ルクヤヌクがクリーンな走りでラリー・イスラス・カナリアス以来となる今季3勝目を獲得、選手権リーダーのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)が5位に終わったためリードを奪い返すことになった。

 バッソはステージキャンセルによって逆転のチャンスを失ったと悔しさをにじませながらも、2013年のサンレモ・ラリーでの優勝以来となる、久しぶりのERCポディウムにチャレンジングな一戦で達成したことに満足した様子だった。

 3位はポーランドのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)。SS12を終えた時点で、後続のアンドレウッチに2.1秒差に迫られたが、アンドレウッチがクラッシュでリタイアとなったため、昨年のギリシャ以来となる今季初の表彰台に立つことになった。

 また、一週間前のクラッシュで背骨を負傷しながらもローマに出場したアンドレウッチは、イタリア選手権を争うライバルであるシモーネ・カンペデッリ(フォード・フィエスタR5)とウンベルト・スカンドラ(シュコダ・ファビアR5)がともに初日にリタイアとなっため、11度目のタイトルに大きく近づいたかに思われていたが、SS13のクラッシュで失意のリタイアとなってしまった。

 ERCジュニアU28は、総合4位でフィニッシュしたシュコダ・アウト・ドイッチュランドのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)が優勝を飾って選手権のリードをさらに広げ、SS13ではバッソと並ぶ素晴らしいベストタイムを叩き出したクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が1分16.4秒差の2位でフィニッシュしている。

 ERCジュニアU27は、マーティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)が8つのベストタイムを奪って初優勝、選手権リーダーに立つことになった。