ERC2020/04/03

ルクヤヌク、生ペースノートでバーチャルラリーへ

(c)Citroen/Alexey Lukyanuk

(c)Citroen/Alexey Lukyanuk

 ヨーロッパ選手権のトップドライバーがチャレンジしたアソーレス・バーチャル・ラリーが先週末に開催され、マデイラ出身のペドロ・シルバ(フォード・フィエスタR5)がeスポーツWRCチャンピオンのジョン・アームストロング(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)を破って優勝を飾った。元アソーレス勝者のアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)が18位と健闘した。

 新型コロナウイルスのパンデミックによりERC開幕戦として予定されたラリー・アソーレスは9月17-19日に延期されたが、主催者のグルーポ・デスポルティボ・コマーシャルはDiRT Rally 2.0を使ったオンラインによるアソーレス・バーチャル・ラリーを企画、2018年のERC王者のルクヤヌクや昨年のERC王者であるクリス・イングラムといったトップドライバーたちを含む全857名のエントリーを集めて3月23-29日まで争われた。

 DiRT Rally 2.0のプログラムには、ラリー・アソーレスの実際のステージは設定されてなかったが、バーチャル・アソーレスはサン・ミゲル島のステージに似ているニュージーランドのスペシャルステージに目をつけ、昨年ルクヤヌクがタイヤを失ったグラミンハイス・ステージはニュージーランドのワイマラ・ポイント・ステージを代用し、火山湖の周囲を走る壮観なセテ・シダーデスのステージもオーシャンビーチ・ステージを使用、全12ステージのバーチャルなアイテナリーが組まれることになった。

 シルバは、アームストロングのプレッシャーに打ち勝ち、最終的に13.7秒差をつけて優勝を飾っている。3位にはパンクによるペースダウンが響いたトルコのアリ・トゥルクカン(三菱スペーススターR5)が19.1秒差で続いた。

「アソーレス諸島のラリーで優勝した2人目のマデリア島出身ドライバーになれたことをとても嬉しく思う」とシルバはコメントした。ERCアソーレスでは2014年にマデイラ島出身のベルナルド・ソウサが実際に優勝を飾っている。

「このイベントの開催をうれしく思うし、このような競技が今後も開催されることを期待したい」

 ルクヤヌクは、今季から新しいコドライバーとして起用することになったドゥミトリ・エレメーフにペースノートを読んでもらいながら本番さながらのラリー挑戦を行い、不慣れなバーチャルゲームながら2分4秒遅れの18位と健闘した。

「本来だったら、先週は僕らはアソーレスの準備に追われている予定だったが、バーチャル・アソーレスでeスポーツマシンと実際のドライバーが対決するのは本当に素晴らしいアイディアだった。僕は、ドゥミトリに実際にその場でライブでペースノートを読んでもらったんだ! マジで熱くなって本気で攻めたよ!」

 ドイツ・チャンピオンのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5エボ)も3分8秒遅れで31位にランクインしている。イングラムは、全12ステージを走りきった357名の完走リストには含まれていない。