ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)最終戦ラリー・イスラス・カナリアスの予選ステージが行われ、選手権リーダーのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)が34番手と出遅れるという波乱の幕開けとなるなか、ポーランド・チャンピオンのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)が1分54.432秒のトップタイムをマークすることになった。
サンテロック・ジュニアチームのルクヤヌクは3.45kmのギヤ・ステージで行われた予選ステージのスタート前にウィービングを行ってタイヤを暖めていたところを警察に止められてしまった。冷えたタイヤでスタートすることを余儀なくされたルクヤヌクは首位のマルツィックから14秒遅れの34番手タイムと沈み、金曜日を後方のポジションからスタートすることになった。
「冷えたタイヤでスタートしたので全くフィーリングがなく、道を走るのが奇妙だったよ」とルクヤヌクは語っている。ルクヤヌクは、前戦ラリー・ハンガリーでコドライバーのミスでTCに早着、5分間のペナルティを受けたために優勝のチャンスを逃したことで、以前にコンビを組んでいたアレクセイ・アルノートフをふたたびコドライバーシートに迎えて参戦している。
マルツィックは2回のプラクティスをトップタイムでまとめたあと予選でも一番時計を叩き出し、マシンのターマックにおけるセットアップに満足していると語っている。「仕上がりもいいし、順調なスタートだ。ここはグリップが高く、非常にイージーだったが、ラリーはまた違ったものになるだろうね」
0.752秒差の2番手には、チームMRFのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)が付けている。前戦ハンガリーでは新しいMRFタイヤにとっての初表彰台を前にして惜しくもエンジントラブルでリタイアしただけに、最終戦では結果に対して意欲的だ。「カナリアスではこれまでの2、3戦のターマックラリーよりもコンディションは安定しているだろう。ウェットでもグリップが高いし、タイヤをテストして試すには、またとない環境だよ」
ブリーンから0.1秒差の3番手タイムはスペイン選手権でチャンピオン争いをしているホセ・スアレス(シュコダ・ファビアRally2エボ)が続いている。
0.09秒差の4番手タイムには前戦ハンガリーに続いてふたたびトップカーズ・ラリーチームから参戦するアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)が続いている。
ミケルセンのコドライバーシートにはふたたびアンデルス・ヤーゲルが戻っており、二人にとってはWRC最終戦ACIラリー・モンツァのためのウォームアップでもある。ミケルセンは走行中に軽いアンダーステアに悩まされていたと語っていた。
予選5番手は昨年ここでERC初優勝を飾ったホセ・マリア・ロペス(シトロエンC3 R5)、6番手にはニル・ソランス(シュコダ・ファビアRally2エボ)の二人の強力な地元勢が続き、7番手にはERC1ジュニア選手権で2位につけるオリヴァー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が続いている。
ソルベルグに6ポイント差をつけてERC1ジュニア選手権をリードするグレゴワール・ムンスター(ヒュンダイi20 R5)はマシンのハンドリングに苦しんで16番手タイムにとどまっている。
ラリー・イスラス・カナリアスは金曜日から2日間にわたって16SS/200.87 kmで争われる。