ERC2018/05/05

ルクヤヌク、ERCカナリアスの初日トップ

(c)ERC

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 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第2戦ラリー・イスラス・カナリアスは金曜日にレグ1の8SS/100.98 kmが行われ、ロシア・パフォーマンス・テクノロジーズのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が7つのステージでベストタイムを奪取、2位のニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)を21.3秒引き離して首位を快走している。

 昨夜降り続いた雨は上がったものの、カナリアスのターマックステージはかなり湿っているなかでラリーはスタートすることになり、ドライバーたちは難しいタイヤチョイスを迫られることになった。カナリア島の火山性溶岩が混ざったターマックは、雨や湿ったコンディションでもグリップをあまり損なわないが、タイヤの摩耗がきわめて激しいのが特徴となっているだけでなく、じりじりと照りつける太陽によってどんどん路面は乾きはじめたため、ドライバーたちはステージごとにコンディションが異なる難しい試練に立ち向かうことになった。

 ルクヤヌクは予選ステージでグリアジンにトップタイムを譲ったとはいえ、2年連続してカナリアスを制したスピードが今年も健在であることを朝からみせつけた。ソフトタイヤとハードタイヤのミックスを選んだ彼はオープニングSSでベストタイムを奪ってスタートするが、オールソフトを選んだグリアジンはSS1で7.3秒遅れの11番手と出遅れてしまう。

 ルクヤヌクはその後も快調なペースを刻んでラリーをリードすることになったが、グリアジンもSS2、SS3と連続して2番手タイムを重ねてペースをアップ、朝のループを終えてルクヤヌクから15.3秒差の2位に浮上することになった。

 グリアジンは「ここまでは慎重なペースだった」と語り、午後からの巻き返しを宣言、SS6のミッドポイントでは視界のないほどの濃い霧に阻まれながらも2番手タイムを奪う奮闘をみせたが、午後のロングステージでも3連続ベストタイムを重ねたルクヤヌクが初日は21.3秒をリードすることになった。

「霧のステージはまったく見えないなかでクレイジーにプッシュしたよ。愚かなミスはしないようにしたよ。いいペースをみせることができたし、出だしは満足している」とルクヤヌクは語った。

 総合2位のグリアジンはERCジュニア・アンダー28選手権ではシュコダ・アウト・ドイッチュランドのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)を29.9秒引き離してトップとなっている。

 総合3位をめぐるバトルは、終盤の2つのショートステージまでもつれ、地元スペインのホセ・スアレス(ヒュンダイi20 R5)が最後のステージで2.9秒差でクライムに3位を譲ることになった。昨年はプジョー・ラリーアカデミー出身のスアレスは今季はヒュンダイ・モーター・エスパーニャから参戦しており、このあとのプログラムを確約するためにもERC初表彰台を目指している。

 BRCレーシングチームのピエール・ルイ・ルベー(ヒュンダイi20 R5)がスアレスから10秒後方の5位、ポルトガルを代表するエネルギー企業であるGALPからのスポンサーを得てERCへのチャレンジを表明したブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)は朝のループでは柔らかすぎるサスペンションに苦しめられ、午後のループでもポップオフバルブに悩まされてスピンに見舞われてしまい6位となっている。

 朝のループでハードタイヤをチョイスしたプジョー・ラリーアカデミーのローラン・ペリエ(プジョー208T16)はSS2で初のベストタイムを奪ったが、午後のループで上位陣から引き離されて7位で初日を終えている。

 また、クリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)は頭痛と発熱で昨夜は病院で一夜を過ごしたあと金曜日のステージをスタートしたが、残念ながらSS3の途中で体調不良によって続行を断念、病院で精密検査をするためにイギリスに帰国することになった。

 ERCジュニア・アンダー27選手権は、開幕戦アソーレスで優勝目前でギヤボックストラブルに泣いたADACオペル・ラリー・ジュニアチームのマーティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)がここでも速さをみせてリードしたが、開幕戦でもトップを争ったディオゴ・ガゴ(プジョー208 R2)との激しいバトルとなり、セスクスが0.7秒差で初日のリーダーとなっている。