ERC2017/05/06

ルクヤヌク、ERCカナリアス初日の全SSを制す

(c)ERC

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第2戦ラリー・イスラス・カナリアスは金曜日に初日を迎え、ロシア・パフォーマンス・モータースポーツのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)がこの日に行われた6ステージすべてにおいてベストタイムを奪ってトップに立っている。

 昨年のラリー・イスラス・カナリアスで優勝しているルクヤヌクは今年も木曜日に行われた予選ステージから速さをみせたが、その快調な走りは金曜日になっても維持されることになった。

 カナリアスの溶岩が混じったターマックはタイヤの摩耗がきわめて激しいが、ルクヤヌクはオープニングSSからけっして全開で攻めることはせずにタイヤコンディションを見るためにペースを落としてスタートしたものの、それでもERCチャンピオンのカイエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)に5秒差をつけるベストタイムでスタートすることになった。

 ルクヤヌクはSS2でジャンプスタートのために10秒のペナルティを課されて首位をカエタノビッチに譲ることになったが、それでもSS3のトップタイムを奪い、タイヤの摩耗に苦しむルクヤヌクを捕らえてラリーリーダーの座を取り返すことになった。

 ルクヤヌクは午後になって雨が強くなり霧がでてきたステージでもペースが落ちず、この日、一度もベストタイムを譲ることなく、後続に25.7秒差を付けてトップでラス・パルマスのサービスへと帰ってきた。

 初日を2位で終えたのは、開幕戦ウィナーのブルーノ・マガラエスだ。シュコダ・ファビアR5での初めてのターマックラリーとなったため、彼はアンダーステアリングのセッティングに苦しみオープニングSSを14.5秒遅れの9番手タイムでスタートしたものの、じょじょにペースをつかんでペースをアップ、SS5では雨の中の難しいコンディションのなかでペースが掴めなかったカエタノビッチを抜いて2位で初日を終えることになった。それでもマガラエスとカエタノビッチの差は2.2秒にすぎない。

 2度の3番手タイムを出して4位につけたのはスペイン選手権で4勝を誇るイヴァン・アレス(ヒュンダイi20 R5)、0.4秒差でプジョーラリーアカデミーのホセ・マリア・ロペス(プジョー208 T16 R5)が続き、ERCジュニアU28をリードしている。

 朝のステージでタイヤの摩耗に苦しんだフランスのターマック王者シルヴァン・ミシェル(シュコダ・ファビアR5)がロペスから9.3秒遅れの7 位、昨年のカナリアスで3位の表彰台を飾って地元のルイス・モンゾン(フォード・フィエスタR5)とベテランのブライアン・ブフィエ(フォード・フィエスタR5)はともにブレーキトラブルによってそれぞれ8位、9位と出遅れた。

 プジョーラリーアカデミーから出場する地元のホセ・スアレス(プジョー208 T16 R5)は朝のループで2番手タイムを出してみせたが、午後のループではエンジントラブルに見舞われて大きくタイムをロス、26位と出遅れている。

 予選2位だったニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)は本番ではタイヤのオーバーヒートに苦しんでペースを上げられず、最後のステージでもバンクに乗り上げるアクシデントで14位となっている。また、チェコのヤン・チェルニー(シュコダ・ファビアR5)は霧のSS4でクラッシュしてしまった。

 また、ERCジュニアU27は、オペル・ジュニアチームのクリス・イングラム(オペル・アダムR2)がチームメイトのヤリ・フットネンを23.3秒リードする展開となっている。