ERC2019/03/22

ルクヤヌク、ERC開幕戦アソーレスをリード

(c)ERC

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 2019年ヨーロッパ選手権(ERC)開幕戦ラリー・アソーレスのレグ1が21日に行われ、サンテロック・ジュニアチームのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)が初日の3ステージすべてにおいてベストタイムを奪ってラリーをリードしたものの、2Cコンペティションのピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)が3.1秒差で続く白熱した展開となっている。

 ポルトガル領アソーレス諸島のサン・ミゲル島を舞台に行われるラリー・アソーレスは、おなじみとなったポンタ・デル・ガーダでのスタートセレモニーに続いて、15時28分から行われたオープニングSSのコロア・ダ・マータ(11.40km)で3日間の戦いの火蓋を切った。

 このステージでトップタイムを奪ったのは、昨年の王者ルクヤヌク。「新しいマシンを学んでいるところなので、じっくりと様子を見ているよ」と慎重なペースだったと認めながらも、予選ステージでトップタイムを奪ったルベーに対して1.9秒差を付けて早くもラリーをリードすることになった。

 終盤のコーナーの一つでバンクにヒット、左リヤのホイールにダメージを負ってスローパンクさせながらも2番手タイムで続いたルベーは、このミスにひるむことなく続くSS2メディナ・レメディス(8.33km)で猛追、ここでもベストタイムはルクヤヌクに奪われたものの、わずか0.1秒差の僅差で続き、予選の速さがフロックではないことを王者の前で証明してみせる。

 そして、この日最後のステージは2台併走で争われるマルケスのスーパーSS。ここでもベストタイムを叩き出したルクヤヌクが、ルベーに3.1秒差をつけて初日をリードすることになった。新しいマシンでの初戦だったルクヤヌクは、スタート前に少しナーバスだったことを認めたが、いつものように楽しめていると初日をふり返った。「マシンには小さな問題もあったが、僕らはいまはかなりリラックスすることができた。大いに楽しんでいるよ」

 総合2位につけたルベーは、ERC1ジュニア選手権ではリードしており、オープニングSSのミスを惜しみながらも明日はもっと攻められると自信をみせている。

 地元サン・ミゲル島出身のリカルド・モウラ(シュコダ・ファビアR5)がグリップ不足に悩みながらもルベーから4.9秒差の3位で続き、さらに1.9秒差の僅差でクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が4位につけている。

 予選ステージに不参加だったドイツ・チャンピオンのマリヤン・グリーベル(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は、テストのときから不調だったパワーステアリングなどのメカニカルトラブルが懸念されたが、ドライコンディションになる本番で予選トップ15台によるリバースでのスタート順を嫌い、さらに後方からのスタート順となるための戦略だったと認めている。

 19番手でのポジションでスタートした彼はSS2で左リヤをパンクさせながらもわずか6秒遅れでしのぎ切る驚くべき速さをみせており、首位から10.4秒差で迎える二日目の躍進に期待ができそうだ。

 6位にはスポーツ・レーシングテクノロジーズのウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)、そして7番手には地元のリカルド・テオドージオ(シュコダ・ファビアR5)が続き、7位には2017年のアソーレス勝者であるブルーノ・マガラエス(ヒュンダイi20 R5)が続いている。

 ERC2はロシアン・パフォーマンスのセルゲイ・レメニク(三菱ランサーエボリューションX)がリードするものの、ホアン-カルロス・アロンソ(三菱ランサーエボリューションX)が0.4秒差でぴたりと続いている。

 R2マシンで争われるERC3ジュニアは、FPAKポルトガル・チームのペドロ・アントウアニス(プジョー208 R2)がリードを奪っている。