ERC2018/03/24

ルクヤヌク、ERC開幕戦勝利にむけて快走

(c)ERC

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 2018年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)開幕戦ラリー・アソーレスは23日に二日目日を迎え、ロシアのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が首位をキープ、地元のリカルド・モウラ(シュコダ・ファビアR5)に対するリードを21.8秒に広げてしている。

 変わりやすい天候をもつアソーレス諸島のサン・ミゲル島を舞台に行われるラリー・アソーレスは、土曜日、霧雨と濃霧による難しい朝となるなか、初日2位につけたモウラがベストタイムを奪い、ルクヤヌクとの差を1.6秒差に縮めて発進することになった。

 しかし、モウラは続くSS5でパンクのために13秒をロス、反撃を開始したルクヤヌクがベストタイムを奪ってモウラに対するリードを14.8秒へと広げることになった。

 さらにルクヤヌクは、アソーレスでもっともダイナミックな景観をもつ火山湖の周囲を走る23.80kmのセテ・シダデスのステージで霧のなかでバンクに2回もマシンをヒットさせながらも、フレッシュタイヤで渾身の走りで攻めるモウラに6秒差をつける連続ベストタイム、その差を20秒へと広げてポンタ・デルガーダのサービスへと戻ってきた。

「霧の中でのドライビングは難しかったよ。壁に2度触れたので、ジオメトリーやサスペンションの何かが損傷している可能性がある。大きなヒットではなかったが、いい気分ではないね」とルクヤヌクは語っている。

 ルクヤヌクは午後のループでは大きくプッシュすることなく首位を守りきり、モウラとの差を21.8秒差としてこの日をゴールすることになった。彼はゴール地点でポップオフバルブに問題があったと明かしたものの、「攻める必要はなかったので問題はなかったよ。それより重要なのはクリーンに走りきることだった」と語っている。

 モウラはスライドしすぎるマシンに不満をもちながらも追撃を試みたが、2回目のセテ・シダデスのステージでこの日2度目のパンク、どうにか2位を守ったものの、ルクヤヌクに21.8秒という大差を付けられることになってしまった。

 残されたポディウムの一角をめぐる激しい争いを制して、モウラから10.6秒遅れの3位につけたのは、過去アソーレスで3度の優勝経験をほこるブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)。朝のループではマシンバランスに手を焼いたが、午後のループで2つのベストタイムを奪って、ERCジュニアU27選手権王者のクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)とマルティン・コチ(シュコダ・ファビアR5)をパスすることに成功している。

 ERCジュニアU28選手権の王者であるドイツのマリヤン・グリーベルは、今季からドライブするプジョー208 T16のハンドリングに苦戦して17位と精彩を欠いている。

 ERCジュニアU27選手権では、ADACオペル・ラリー・ジュニアチームのマーティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)がパンクによってタイムをロスしながらも首位をキープ、地元のディエゴ・ガーゴ(プジョー208 R2)が3.2秒差に迫ってきた。また、セスクスのチームメイトであるトム・クリステンソン(オペル・アダムR2)はSS4でトップタイムを奪いながらもフィライングフィニッシュ通過した後に横転してリタイアとなってしまった。