ERC2017/09/17

ルクヤヌクがクラッシュ、ブフィエがローマの首位

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第7戦のラリー・ディ・ローマ・カピターレは、土曜日の一日をリードしてきたアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が最終ステージで大きなアクシデントに見舞われたためにリタイアとなり、ブライアン・ブフィエ(フォード・フィエスタR5)がトップでレグ1をゴールしている。

 ラリー・ディ・ローマ・カピターレは金曜日の夜にローマ市内で行われたスーパーSSで開幕、土曜日からローマ南東部の山岳ターマックに舞台を移して本格的な戦いがスタート、オープニングステージのコッレ・サン・マーニョでベストタイムを奪ったルクヤヌクがいきなり首位に立つことになった。

 つづくSS3ではクラッシュしたマシンにコースを塞がれたために多くのドライバーがノーショナルタイムを与えられることになり、ルクヤヌクもその一人となったが、彼は続くSS4でも雨になることを予想して選んだソフトタイヤがグリップを失いそうになりながらもトップタイムを奪い、最初のループを終えて2位のブフィエに4.4秒差をつけてフィウッジのサービスへと戻ってきた。

 ラリー・ディ・ローマのセカンドループは日没目前の18時過ぎから再開、ここでも圧巻のベストタイムを奪ったルクヤヌクがその差を8.4秒へと広げることに成功、2番手タイムを叩き出した選手権リーダーのカイエタン・カイエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)が2位へと浮上することになった。

 しかし、完全に陽が落ちた次のSS6でルクヤヌクは激しくクラッシュ、バラバラになったタイヤやサスペンションをコースにまき散らして彼はマシンをコース脇に止めることになった。このアクシデントでコースがふさがれてしまったため、後続のドライバーたちには赤旗が出され、ステージは以降、キャンセルとなっている。

 このステージではルクヤヌクのアクシデントが発生する前にベストタイムを奪ったブフィエがカイエタノビッチを8.9秒上回るベストタイムで逆転、初日を7秒差をつけてリードすることになった。

 選手権2位につけるブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)は得意なターマックでカイエタノビッチを上回るリザルトを狙っていたが、SS2のスピンで9位に順位を下げてスタートすることになったが、じょじょにペースをアップ、2回目のループでは安全のためにスペア2本を搭載するハンデもあったが、カイエタノビッチの18.5秒後方の3位まで順位を上げてフィニッシュしている。

 ポーランド・チャンピオンのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)はポップオフバルブの問題に悩まされて4位となっている。また、金曜日のナイトステージで首位に立ったニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)はギヤボックスとデフの問題から12位まで後退してしまった。これでERCジュニアU28のリーダーはチェコのヤン・チェルニー(シュコダ・ファビアR5)となり、ステファン・コンサニ(フォード・フィエスタR5)が15.5秒差につけている。

 ERCジュニアU27は、選手権をリードするアレックス・ザヴァダ(オペル・アダムR2)がSS2をスタートしてわずか300mでトランスミッションの問題からストップ、オペル・ラリー・ジュニアチームのクリス・イングラムとヤリ・フットネンの攻防となった一日はSS5でトップタイムを奪ったフットネンが0.6秒をリードして終えている。

 ERC2は選手権リーダーのゼリンド・ミレガリ(三菱ランサーエボリューション)が父親の突然の訃報によりこの日のスタート前にラリーを棄権することを表明、金曜日にラリーをリードしたセルゲイ・レメニク(三菱ランサーエボリューション)がSS2でクラッシュしたあと、ティボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューション)がラリーをリードしている。

 併催されるイタリア選手権では、SS3で首位に立ったアンドレア・クルニョーラ(フォード・フィエスタR5)がその直後のステージでポールにリヤをヒットしてリタイアとなり、シモーネ・カンペデッリ(フォード・フィエスタR5)とウンベルト・スカンドラ(シュコダ・ファビアR5)が激しく首位を争い、わずか0.3秒差でカンペデッリがレグ1優勝を飾ることになった。

 カンペデッリはこれで選手権においてスカンドラを抜いて2位へと浮上、初日3位に終わったパオロ・アンドレウッチ(プジョー208T16 R5)に13ポイント差に迫っている。また、イタリア選手権での初表彰台をめざす16歳のカッレ・ロヴァンペラ(プジョー208T16 R5)はアンドレウッチから54.7秒遅れの4位で続いている。