WRC2021/04/03

ルノー・クリオRally4がホモロゲーションを取得

(c)Renault

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 ルノー・スポールは、ルノー・クリオRally4が4月1日にFIAホモロゲーションを取得したことを発表した。これにより、ルノーのカスタマーレーシング部門で設計された最新のマシンのクリオRally4にとって、国際イベントをはじめ、国内イベントなどさまざまな公式競技への道が開かれることになり、今後数週間のうちに正式な競技デビューを果たすことになるという。

 クリオRally4は、2輪駆動のラリーカーとしてクラス最高の性能を目指して、ルノー・スポールのエンジン開発を行うヴィリー-シャティヨンとシャシー開発拠点のディエップの両チームが徹底的に開発作業を行い、ステファン・サラザン、ブライアン・ブフィエ、マヌエル・ギグーなどの経験豊富なドライバーによる、数ヶ月間、5,000km以上に及ぶ集中テストで鍛えられてきた。

 クリオRally4は、クリオRally5をベースとして開発が行われ、パフォーマンスのあらゆる側面に特別な注意を払われて開発が行われた。4気筒1330ccのTCe16バルブエンジンは、新型ターボ、新型ピストン、新型カムシャフト、新型コンロッドの開発により、大幅に改良されている。SADEV製ギアボックスとの組み合わせで、トルクレンジやパワーの特性にもこだわり、FIA Rally4のテクニカルレギュレーションにおいてエアリストリクターによって出力は215馬力に規制されることも考慮されたうえで開発が手がけられている。

 その他のメカニカルコンポーネントについても、性能と信頼性の向上が図られており、最新技術を駆使したPFCブレーキとBOSサスペンションのアジャスタブルショックアブソーバーが搭載されている。

 クリオRally4は、今年のラリー・モンテカルロにおいてフロリアン・ベルナルディによってゼロカーとしてお披露目され、雪と氷の難しいコンディションのなかトラブルフリーでデビューをこなしていているが、今後は、フランス、スペイン、イタリアなどのプライベートチームに納車されることになっており、続々とデビューすることになる。

 また、それらの国や地域で開催されるクリオ・トロフィーとの相乗効果も期待されており、2021年にこれらのシリーズで最も優秀な結果を残したジュニアドライバーには、来シーズン、クリオRally4のオフィシャルプログラムを受けることができることになっている。

 ルノー・スポールでコマーシャル・レーシング・ディレクターを務めるブノワ・ノジエは次のようにコメントしている。

「今回のホモロゲーションは、クリオRally4のデザインと開発に費やした我々のチームの素晴らしい仕事に報いるものだ。このマシンは、パフォーマンス、安全性、そしてあらゆる路面での楽しさという点で、妥協することなく設計されており、我々は仕上がりに誇りをもっている」

「クリオRally4の目標はただ一つ、このクラスの新しいベンチマークになることだ。モンテカルロの難しいステージで確認されたように、クリオRally4は我々が設定した仕様を完璧に満たしている。次のマイルストーンは、カスタマーたちへの最初の納入、そして今春のラリーでのデビューとなる。我々はすでにエキサイティングなプロジェクトに取り組んでおり、皆さんにお披露目する日を楽しみにしている!」

■クリオRally4のスペック
エンジン
タイプ:直噴式1.3 TCe ルノー 4気筒 16バルブ
ターボチャージャー:ボルグワーナー製
パワー:215hp
トルク:350Nm
最大回転数:6,500

寸法
全長x全幅x全高 (mm):4,050 x 1,988 x 1,400
トレッド前/後(mm):1,500 / 1,490
ホイールベース(mm):2,579
重量:1,080kg

トランスミッション
サデブシーケンシャル5速+リバースギヤボックス
ZF製リミテッドスリップディファレンシャル
ザックス製クラッチ

サスペンション
フロント:マクファーソンストラット
リヤ:トーションビームH型
BOS 3way調整式ショックアブソーバー

ホイール
ホイール:6x15(グラベル)、7x17(ターマック)
タイヤ:ミシュラン

ブレーキ
フロントブレーキ(ターマック):PFCキャリパー&ディスク 330mm×28mm
フロントブレーキ(グラベル):PFCキャリパー&ディスク-294mm×28mm
リアブレーキ:PFC-PFCキャリパー、ディスク-260mm×8mm