WRC2018/06/09

ルフェーブルがWRC2初日をリード、勝田は5位

(c)Citroen

(c)BRC

 シトロエン・トタルのステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 R5)が、激しい天候の変化に翻弄されたラリー・イタリア・サルディニアのレグ1を終えてWRC2選手権カテゴリーでトップに立っている。

 この日午前中のループは、もともと予測困難なこの島のグラベルの道に雨と霧がさらに追い打ちをかけることで、各ステージは目まぐるしく変化するコンディションとなった。早朝に降った大雨の影響で滑りやすくなったSS2でトヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの新井大輝(フォード・フィエスタR5)は3番手タイム、SS3ではベストタイムを奪って首位に立つという衝撃の展開で金曜日は始まることになった。

 しかし、SS4でトップタイムを奪ったシュコダ・モータースポーツのオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(シュコダ・ファビアR5)が首位に浮上、新井と激しいトップ争いを繰り広げることになった。

 だが、新井はSS5で地面からの衝撃でエンジンの潤滑系に問題を抱えてマシンストップ、今回からこれまでのグレン・マクニールに代わって新たにヤルモ・レウティネンとの新コンビでラリーをスタート、WRC2での初表彰台も期待されたが、ここで惜しくもリタイアとなってしまった。

 午後になってステージはふたたび大雨に見舞われ、マディなコンディションになるなか、ヴェイビーはSS6でサスペンションアームを破損して首位から陥落、この日を走りきったが4分20秒あまりをロスして8位まで順位を落としてしまった。

 ヴェイビーが消えたあと、首位に浮上したのはルフェーブルだ。彼はモンテバランタでステージウィンを獲得しながらもリードを奪うことができずにいたが、午後のループではSS7とSS9での最速タイムと、不安定なトゥーラの2回目の走行(SS6)での2番手タイムでマージンを伸ばし、ライバルたちが滑りやすいコンディションの中で多くのタイムロスを強いられなか、最終的には14.0秒をリードしてこの日を終えている。

 2位にはスロースタートからリカバーしたチェコのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5)が入っている。大雨となったトゥーラの2回目の走行でも彼は自信に満ちた走りで他のWRC2ランナーたちを9.4秒引き離し、4位から一気にポジションを上げることに成功している。彼はさらにSS8でもステージウィンを獲得したことで、ルフェーブルを射程圏内にとどめてこの日を終えている。

 初日3位につけたのはフランスのニコラ・シアマン(ヒュンダイi20 R5)。彼もまたスリッパリーなトゥーラの2回目で苦戦、午後のループでペースを上げたが、首位からは1分17秒8遅れとなっている。

 トリッキーなコンディションとなるなか、同じくトゥーラでのオーバーシュートによって1分以上タイロスした地元のファビオ・アンドルフィ(シュコダ・ファビアR5)は4位でレグを終えている。

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムのの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は滑りやすい路面に苦戦しながらもクリーンな走りを心がけて、地元のアンドルフィの38.5秒後方、5位となっている。

 難しいコンディションのなかでベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)が6位、この日最初のステージウィンを獲得したBRCチームのピエ−ル-ルイ・ルベー(ヒュンダイi20 R5)は一時3位につけていたが、ディッチでスタックしてグエラの14.5秒後方の7位となっている。

 前戦ポルトガルで初の表彰台を獲得したウーカシュ・ピニオジェック(シュコダ・ファビアR5)はパンクで9位、3度のERCチャンピオンに輝いているカイエタン・カイエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)はSS6でサスペンションを壊してリタイア、WRC2デビュー戦は苦しい結果となっている。