ラリー・モンテカルロのWRC2は土曜日のレグ3を迎えたが、波乱の一日を終えてアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)がトップに立っている。
金曜日のステージを終えたところでステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 Rally2)がラリーリーダーとなったが、土曜日のオープニングSSを走り終えて、ミケルセンが0.2秒という僅差に迫ったところで、ラリーのスチュワードがルフェーブルに対してまさかの30分のペナルティを課すことを発表する。前日のSS8のフライングフィニッシュのあとのコントロールゾーンでルフェーブルがペースノートの修正をするためにマシンを止めたことが危険行為だったとしての厳罰の処分だ。
これでルフェーブルはもちろん首位陥落、優勝のチャンスはなくなったが、不運はそれだけに終わらず、彼はその報せを受けた直後のステージで左リヤをクラッシュしてリタイアとなってしまう。
これでミケルセンがWRC2のリードを手にすることになり、彼はその後もトップを譲ることはなく、終始、ヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)に余裕のリードを築くことになる。
だが、22.9秒をリードして迎えたこの日の最終ステージ、サン・ジェニエ〜トアールのステージで、ミケルセンの勝利への望みが危機にさらされる。グリップの低さと汚れた路面で彼は破損したタイヤを交換するためにステージ半ばでクルマを止めることになる。コドライバーのトーシュテン・エリクセンとともに素早く作業を終え、1分39秒のタイムロスにとどめている。
これでミケルセンは首位を失ったことを覚悟したが、その一方でロッセルがステージの序盤でコースオフしていたことはこの時まだ分かっていなかった。ディッチにスタックしたロッセルは3分前後を失っていたため、ミケルセンのリードはそのまま維持されることになる。
最終的にミケルセンは、WRC2ジュニア・ドライバーの最高位に位置する後続のエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)に対し、22.4秒の差をつけてリードを保つことになった。ロッセルは4位に後退し、トップから1分37秒差となっている。
「本当にたくさんの泥がコース上に引き込まれていた。何かに接触したようには感じられなかったけど、右フロントタイヤがダメになり始めたんだ」とミケルセンは説明している。
「フィニッシュまであと5kmというところだったので、なんとかそのままの状態で続けようとしたが、リム落ちしてしまっていたので交換することにした。とても長いラリーなので、まだまだ何が起きるか分からない」と彼は付け加えた。
グレゴワール・ムンステル(ヒュンダイi20 N Rally2)はロッセルの不運に乗じてツアイスから44.5秒差の3位、ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRally2エボ)が5位となっている。彼はロッセルから7.3秒遅れでフィニッシュ、その17.4秒後方にショーン・ジョンストン(シトロエンC3 Rally2)が続いている。
マルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2)はこの日最終の1つ前のステージで、クルマが灰色の煙が上げ始め、ルフェーブルとともにリタイアとなっている。彼はそれまでWRC2の3位、WRC2ジュニアの首位を走っていた。
また、Rally3カーによる選手権となったWRC3は、ジュニアWRCチャンピオンのサミ・パヤリ(フォード・フィエスタRally3)が逆転、ヤン・チェルニー(フォード・フィエスタRally3)に14.7秒差をつけて土曜日を終えている。