WRC2022/06/22

ロヴァンペラ、サファリのシェイクダウンで最速

(c)Toyota

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 2022年世界ラリー選手権(WRC)第6戦サファリ・ラリー・ケニアのシェイクダウンが22日水曜日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が3分42.1秒のトップタイムをマック、0.5秒差の2番手タイムにはヒョンデ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)が続いている。

 サファリ・ラリーのシェイクダウンは、サービスパークがおかれるナイバシャ湖近くの5.40kmのロルディア・ステージで行われた。例年どおり、ヨーロッパ圏外でのテストはレギュレーションで認められていないため、新しいハイブリッドRally1カーにとってもここが初走行の舞台となり、限られた走行のなかで最終的なセットアップの仕上げを行うという重要な機会となった。

 ロルディア・ステージでのシェイクダウンは昨年もほぼ同じコースが使用されたが、ステージはよりダスティであり、荒れていっそう過酷なコンディションになっているように見えた。一回目の走行では、9番手という後方からスタートした昨年のウイナー、セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)が3分44.3秒というトップタイムを叩き出して幸先のいいスタートを切り、これに8番手という同じく後方からスタートしたガス・グリーンスミス(フォード・プーマRally1)が2.8秒遅れの好タイムで続くことになった。

 しかし、2回目の走行で速さをみせたのは、選手権リーダーのロヴァンペラだ。1回目の走行では路面掃除のために6.2秒遅れの9番手タイムと出遅れたが、2回目の走行ではヌーヴィルに0.5秒差をつける3分42.1秒の暫定トップタイムをマークすることになった。コースは走行によって深いわだちが刻まれるなど柔らかい路面にはダメージが生じたため、3回目の走行ではほとんどのドライバーが自身のタイムを更新することができなかったため、ロヴァンペラがシェイクダウン最速ドライバーとなっている。

「今年は昨年以上にタフなラリーになりそうだ。レッキで見たステージは想像よりも荒れていたし、今年は昨年よりも路面が柔らかいので、難しいコンディションになると思うよ」とロヴァンペラは語っている。

「場所によっては、一番最初に走った方がいいかもしれない。もちろん、いくつかのセクションでは掃除が必要だが、ここでタイムを失う最大の原因はそこではない。

 この週末は概ね晴れると考えられているが、予期せぬ雷雨があると天気予報は伝えており、昨年のような波乱を呼ぶ可能性もある。

「レッキのときに1ステージだけ雨が降ったけど、路面が濡れることはなかった。でも、本格的に雨が降るとすごく滑ると誰も言っている。だから何が起こるかわからないよ」
 
 1.8秒差の3番手タイムにはオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)、20年ぶりにサファリを走るセバスチャン・ローブ(フォード・プーマRally1)は1回目の走行では10番手タイムに沈んだが、2回目の走行ではタナクと同タイムへとペースを上げている。

 5番手タイムは1回目の走行で速さをみせたオジエが続くが、彼はコースコンディションが悪化した2回目以降タイムを伸ばすことができずに1回目の走行のタイムが自身の最速タイムとなっている。

 オジエの1.1秒後方につけたのは、昨年2位ポディウムを獲得した勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)だ。勝田は1回目の走行ではコクピットに侵入しているダストに苦しんだようだ。「もちろん、このラリーでは何が起こるかわからない。プッシュすることと、慎重に走ることのバランスが大切だ。決して簡単なことではないんだ。ここは埃がひどくて、フロントガラスから視界が利かなかったよ」

 7番手にはグリーンスミスとエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)が同タイムで並び、9番手にはアドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)、10番手にはクレイグ・ブリーン(フォード・プーマRally1)、11番手にはただひとり4回の走行を行ったオリヴァー・ソルベルグ(ヒョンデい20 N Rally1)が続いている。

 サファリ・ラリーは明日23日木曜日の昼過ぎに、これまでの伝統に従って首都ナイロビにあるKICC(ケニヤッタ国際会議場)で行われるセレモニアルスタートのあと、スーパーSSカサラニ(4.84km)で開幕する。

■シェイクダウン・タイム(P1ドライバー)
1. K.ロヴァンペラ(トヨタ)3m42.1s
2. T.ヌーヴィル(ヒョンデ)3m42.6s(+0.5s)
3. O.タナク(ヒョンデ)3m43.9s(+1.8s)
3. S.ローブ(Mスポーツ)3m43.9s(+1.8s)
5. S.オジエ(トヨタ)3. O.タナク(ヒョンデ)3m44.3s(+2.2s)
6. 勝田貴元(トヨタ)3m46.1s(+4.0s)
7. G.グリーンスミス(Mスポーツ)3m46.7s(+4.6s)
7. E.エヴァンス(トヨタ)3m46.7s(+4.6s)
9. A.フールモー(Mスポーツ)3m46.9s(+4.8s)
9. C.ブリーン(Mスポーツ)3m47.7s(+5.7s)
10. O.ソルベルグ(ヒョンデ)3m55.7s(+13.7s)