WRC2019/06/03

ロヴァンペラ、ポルトガルでWRC2プロ今季2勝目

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 シュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラは、ラリー・デ・ポルトガルのFIA WRC2プロ選手権で今季2勝目を飾り、チームメイトのヤン・コペツキも2位で続き、新しいシュコダ・ファビアR5エボが1-2ウィンで世界デビューを飾ることになった。

 18歳のロヴァンペラは、金曜日の朝から素晴らしい速さをみせてラリーをリードしたが、その日の午後にパンクに見舞われて首位をチームメイトのコペツキに譲ることになった。しかし、ロヴァンペラはその後もすぐに速さを取り戻して土曜日の朝には首位を奪還、コペツキが走行中にボンネットが開いてしまうトラブルもあったため、61.5秒の差をつけて最終日を迎えていた。

 3位のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)は初日にパンクを連続して引き起こしてスペアタイヤを使い果たしてリタイアしたためすでに19分あまりの遅れ、ウーカシュ・ピニオウジェック(フォード・フィエスタR5)もまたクラッシュからのリスタートで30分あまりのビハインドとなっている。シュコダは1-2をキープしたまま着実なゴールを目指す戦略で最終日に臨むことになり、ロヴァンペラとコペツキは大きくペースを落としながらも、この難しい戦いとなったイベントで見事に1-2フィニッシュを迎えることになった。

 これまで選手権をリードしてきたガス・グリーンスミスが今回のポルトガルではWRカーで出場しているため、前戦のラリー・チリに続いて今季2勝目を飾ったロヴァンペラが新しいリーダーとなっており、3位でフィニッシュしたオストベルグが選手権2位に浮上することになった。

 プライベーターのためのFIA WRC 2選手権では、コルシカ出身のピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)がスウェーデンのエミル・ベルクヴィスト(フォード・フィエスタR5)に1分42秒差をつけてWRC2初優勝を飾ることになった。

 土曜日に彼とトップを争ったトヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)はホイール破損のために不運なリタイアに見舞われており、大きなマージンを得て独走状態で最終日を迎えたルベーはラフなコンディションのステージでトラブルを引き起こさないようにペースをコントロールしてみせた。

 ピエール-ルイの父は、かつてランチアやトヨタのワークスチームがツール・ド・コルスなどでターマックスペシャリストとして起用したイヴ・ルベーだ。昨年のポルトガルでキャリア最上位の4位でフィニッシュしているピエール-ルイは、C2コンペティションのファビアR5にスイッチして臨んだ今季、ホームイベントのコルシカでもポディウム獲得はならなかったが、サバイバル戦となったポルトガルで記念すべき初優勝を飾ることになった。

 26.1秒差の3位にはベテランのヘニング・ソルベルグ(フォード・フィエスタR5)、パンクで優勝のチャンスを逃したニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)が、後方から猛烈な追い上げを見せたが、エーリック・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)が0.8秒差で逃げ切って4位でフィニッシュしている。

 土曜日にトップ争いのさなかにリヤホイールのディスクが突然破損したために無念のリタイアとなった勝田には、短い最終日で表彰台まで挽回するチャンスはなかったが、それでも最終日の5つのステージのうち4つのステージでベストタイムを獲得、鬱憤を晴らすかのような速さを見せて13位でエンディングを迎えている。