WRC2020/10/09

ロヴァンペラ、速さをみせるもシェイクダウン横転

(c)Kalle Rovanpera

 トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラは、ラリー・イタリア・サルディニアのシェイクダウンにおいてコースオフ、前途多難なスタートとなったが、幸いにもマシンのダメージは大きいものではなく、チームは今夜修理を行ったあと明日のステージにむけて万全な状態に仕上げることを約束している。

 ロヴァンペラは3.79kmのオルメド・ステージで行われたシェイクダウンの1回目の走行でライバルを2秒も上回る最速タイムを記録する速さを見せたが、フィニッシュラインを越えた直後にブレーキが間に合わず、次のコーナーでコースオフすることになった。

 ロヴァンペラはこのクラッシュでシェイクダウンの走行をとり止めることになったが、ヤリスWRCには大きな問題はないと語っている。それでも、いまごろサルディニアの速さとフィーリングは別のモノだという昨年の苦い経験を思い出していることだろう。

「シェイクダウンでちょっとしたミスがあった。フィニッシュラインでスピードを出しすぎてしまい、次のコーナーでマシンを十分に減速させることができず、ゆっくりとマシンが横転してしまった。チームには迷惑をかけてしまった。恥ずかしいよ。でも、マシンは明日のスタートには大丈夫だと思う」とロヴァンペラは語っている。

 昨年6月、アルゲーロの港に立っていたロヴァンペラが微笑むことはほとんどなかった。当時18歳だった彼は、WRC2プロで3戦連続勝利を達成したにもかかわらず、シュコダ・ファビアR5に寄りかかって、レッドブルのキャップを目深にかぶり、眉をひそめていた。

 最高の結果でチャンピオンシップでのリードを広げ、晴れやかな気分だと思いきや、「今までで一番難しいイベントだった。複雑だった。マシンにも、ノートにも、すべてに自信がなかったし、厳しかった。グリップが良いだろうと思っていた場所は、まったくグリップが無かった」と、彼は当時、サルディニアはけっしていいフィーリングではなかったと明かしている。

 今シーズンはトヨタGAZOOレーシングWRTに加入したロヴァンペラは、サルディニアを前にして、この島をWRカーで走ることにある程度の不安を感じていると認めていた。

「昨年は苦戦した。自分のベストとは言えないラリーの一つだったことは間違いない。そのためサルディニア島でのプレイベント・テストは本当に重要で、良いテストができたが、マシンのフィーリングも良いことを常に確認しなければならない。それができれば、良い結果になるだろう」

 ロヴァンペラにとって、中速および低速のラリーの学習曲線を得意な高速ラリーと同じレベルにするための作業の続きだ。

「トルコではこのスピードでのドライビングについて多くのことを学んだし、タイヤについてもかなり多くのことを学んだ。しかし、もっとフィーリングが必要だし、サルディニアのような場所ではペースノートをもっとうまく使いこなせるようになる必要がある」

「僕は高速な道を多く走ってきたので、トルコやサルディニアのようなイベントの経験は乏しく、今は小さくてスローな場所でのマシンの挙動を理解しなければならない。昨年(のサルディニア)は初めての経験だったし、誰もが知っているようなトリッキーな場所でも、初めて走る僕らには時に難しいものとなる」