WRC2018/07/28

ロヴァンペラが地元戦独走、勝田・新井はリタイア

(c)Michelin

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 ラリー・フィンランドWRC2カテゴリーではレグ1を終え、シュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5)が7つのステージウィンをおさめ、32秒をリードしてトップにたっている。

 ロヴァンペラは彼にとって初となる母国でのWRCイベントで上々のスタートを切ることに成功し、他を圧倒する走りを展開した。まだ17歳の彼は経験値の乏しさをものともせずリードを築き、このラリーで最も長い1日となる土曜日に向けて主導権を握ることとなった。

 ファビアR5をドライブする彼は、金曜日の最初のステージからチームメイトであり最も身近なライバルであるオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(シュコダ・ファビアR5)を上回る速さを見せて首位を快走する。SS6でヴェイビーがワイドに膨らんでディッチに突っ込み、リヤのブレーキキャリパーを破損してタイムを落としたあと、フィンランド選手権のリーダーであるエーリック・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)が2位に浮上してきたが、ロヴァンペラは32秒をリードしてレグ1をトップでフィニッシュした。

すると、ロヴァンペラはライバルが追撃困難な状況にあること知る。そして

 ピエタリネンは2つのステージを制し、安定した速さキープしながら3位に続くワークス・ヒュンダイのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)に対し25.5秒のアドバンテージを保っており、ヴェイビーはフットゥネンから5.3秒差の4位でこの日を終えることになった。

 トヨタGAZOOレーシング・チャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)にとっては残念な一日となった。フットゥネンを追撃して5位につけていたが、SS8でジャンプのあとで着地した際にパワーステアリングを破損、フィエスタは右方向に角度をつけて切れ込むように道路脇の木々や岩に突っ込んでクラッシュすることになってしまった。勝田とコドライバーのマルコ・サルミネンにケガはなかったが、マシンのダメージが大きいためリスタートを断念、リタイアとなってしまった。

 また、新井大輝(フォード・フィエスタR5)はSS3ウッリアでのコースオフで2分の遅れを喫したあと挽回を狙っていたが、パンクのためにゴール目前でマシンを止めざるをえなくなった。ヤルッコ・ニカラと出場した足立さやか(フォード・フィエスタR5)はSS2のジャンクションでコースオフ、ディッチから脱出できずにデイリタイアとなっている。

 5位にはストレスの多い一日となってしまったガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)が入っている。フィエスタR5のセットアップに問題を抱えていた彼は午前中のループでタイムが伸びず、かき出されたダストによるSS6でのスピンでさらにタイムロスを強いられたが、勝田のリタイアで順位を5位に上げてどうにかフィニッシュしている。

 シトロエン期待のステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 R5)はSS2でバンクに接触した後にサスペンションにトラブルを抱えてリタイアとなったため、シモーネ・テンペスティーニ(シトロエンC3 R5)が唯一のシトロエン・ドライバーとなっており、彼はニコラ・シアマン(ヒュンダイi20 R5)に続いて7位につけている。

 また2017年のフューチャーラリースター・オブ・フィンランドに選ばれたエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアR5)も金曜日のオープニングSSでコースオフして15位に後退したあと、SS6オイッティラでベストタイムを奪って9位まで追い上げていたが、最終ステージの前でマシンから出火、どうにか消し止められたがその影響もあって54秒を失い10位に順位を落としている。

 木曜日夜のハルユSSSを制したファビオ・アンドルフィ(シュコダ・ファビアR5)もリタイアとなり、ムラート・ボスタンチ(フォード・フィエスタR5)、ヨウニ・ヴィルタネン(フォード・フィエスタR5)らがリタイアリストに入っている。