WRC2022/05/25

ロヴァンペラは2013年のオジエと同じ領域

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表、ヤリ-マティ・ラトバラは、カッレ・ロヴァンペラが、2013年にフォルクスワーゲンで初の世界ラリー選手権のタイトルを獲得した時のセバスチャン・オジエと「同じ領域」にあると語っている。

 ロヴァンペラは先週末のラリー・デ・ポルトガルで今季3勝目を獲得、さらにパワーステージを制覇したことによって、ドライバーズ選手権ではわずか4戦で46ポイントのリードを築いてトップに立っている。

 オジエは9年前にラリー・スウェーデン、メキシコ、ポルトガルでラリーとパワーステージの双方を制し、シリーズで圧倒的なリードを築くと、最終戦を待たず、2戦早い段階での世界タイトルを確定させている。

 2013年〜16年オジエのチームメイトであり、現在トヨタでロヴァンペラのボスとなったラトバラは、圧倒的なスタートを切ったドライバーがライバルたちのメンタルにどのような影響を及ぼしたのかを身をもって体験しており、今まさにロヴァンペラが彼のライバルたちにそのプレッシャーをかける形となっていると考えている。

「僕からすると、カッレは、2013年フォルクスワーゲンで圧倒的な強さを発揮したオジエと同じ領域にいる」と、ラトバラは語っている。

「彼は他のドライバーに非常に大きなプレッシャーをつくり上げた、それで僕たちはミスを犯し、他のところでもミスをしていた。そして今、彼(ロヴァンペラ)が同じようなシチュエーションにあって、すべてがうまく噛み合っている」

「彼はとても落ち着いていて、忍耐強い、クルマにも自信をもっているし、物事を非常にうまく分析できるし、そうするとゾーンに入っていく、そしてその流れの中にあると、カチッとすべてうまくはまって作用するようになり。彼は今そんな状況にある」

「問題は、他の皆が彼からさらなるプレッシャーを受けてしまうことだと思う。確かに彼は優秀だ、でも最も大きいのは、彼があまりにも若いということで、他の皆にプレッシャーがかかるということだ」

 ラトバラは、ロヴァンペラがポルトガルでは4位以内に入ることは想定していたが、ポルトガルを1番手走行から勝利するとは予想もしなかったと認めている。

「カッレがコースオープナーをつとめて、それで勝利することは予想すらすることもなかった。それでも彼はそれをやってのけた。もちろん、これまでにもコースオープナーをつとめながらもラリーに勝利しているローブやオジエという偉大なドライバーたちがいることは知っている。でも今のカッレの年でそれをやってのけた者は今まで誰もいなかった。そこが違うんだ。これまでのラリーの歴史でそれは見たことがない」

 世界ラリー選手権の最年少ワールドチャンピオンの記録は、1995年にコリン・マクレーが達成した27歳と109日の記録だ。ロヴァンペラが、2013年に最終戦の2戦前で初のタイトルを達成したオジエのあとを追うとすれば、9月のニュージーランド・ラリーで「22歳と1日」という新記録とともにバースデーを祝うことになる。