Raid2022/10/10

ローブ、世界レイド選手権タイトルは絶望的

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 バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)チームのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)は、世界ラリーレイド選手権(W2RC)第3戦ラリー・デュ・マロックでの敗北によってタイトル獲得に大きな打撃を受けることになった。

 世界情勢の変化や夏のアンダルシア・ラリーの延期後、W2RCは前戦アブダビ・デザート・チャレンジから6カ月ぶりにラリー・デュ・マロックで再開、ローブは選手権のライバルであるトヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRハイラックス)を1ポイント差でリードしてラリー・デュ・マロックを迎えていた。

 ラリー・デュ・マロックはGCKチームのゲラン・シシェリが初優勝を飾り、2位にはBRXチームのオルランド・テラノヴァが続き、プロドライブ・ハンターが1-2フィニッシュを飾ることになったが、ローブにとっては最初から不運を予感させるスタートとなっていた。

 ローブは最初の本格的なステージで2本のパンクを喫して大きく時間をロス、それでも第3ステージのトップタイムで総合3位へと浮上することになった。しかし、第4ステージでパワーステアリングのトラブルにより砂丘でストップ、フルード漏れを修理することができずにリタイアを余儀なくされてしまい、最終結果は51位と低迷することになった。
 
 ローブはタイトルを半ば諦めながらも、来年のダカールに目標を向けていた。

「もちろん、望んでいたラリーではなかったが、これがモータースポーツだ」とローブは語った。「でも、これがモータースポーツなんだ。僕らが見つけたのは、ダカールまでにさらに改善できる場所だ」

 ローブがストップしたことでタイトルを狙うアル-アッティーヤは優勝を目指してプッシュすることを止めてペースをダウン、最終的に3位でフィニッシュすることになった。

 アル-アッティーヤはこれでローブに22ポイントの大差をつけて、2週間後の最終戦アンダルシア・ラリーを迎えることになった。

「彼がストップしたので、僕らは慎重なペースでゴールすることを目指した」とアル-アッティーヤは語った。「2日目には多くのパンクに見舞われ、スペアを使い果たしたので、アシストを待たざるを得なかったのは残念だった。地形的にリズムをとるのが難しく、本来なら簡単に勝てるはずのラリーを逃してしまった」