WRC2022/12/20

ローブ、残念ながらモンテカルロは欠場の模様

(c)M-Sport

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 セバスチャン・ローブは今年1月、Mスポーツのフォード・プーマRally1を駆ってラリー・モンテカルロでセンセーショナルな勝利を飾ったが、残念ながら、2023年はこの伝統の一戦をどうやら欠場する模様だ。

 ラリー・モンテカルロの主催者は、2023年の開幕戦には75台のエントリーがあることを発表、エントリーリストには3台のフォード・プーマRally1が含まれていることが確認されている。

 Mスポーツ・フォードはドライバーのラインナップを明らかにしてはいないが、オイット・タナクとピエール-ルイ・ルーベが来季、フル参戦を果たすことになっている。モンテカルロにおける第3のドライバーの正体はまだ明かされていないが、どうやら9度のワールドチャンピオンが参戦する可能性はなくなったようだ。

 ベルギー・メディアの『DH(ラ・デルニエール・ウール)』によると、Mスポーツは、ローブをサポートするはずのレッドブルと合意に至らなかったため、モンテカルロにおける3人目のプーマ・ドライバーは、ベルギー在住のギリシャ人プライベーターであるジョルダン・セルデリディスになったと報じている。

 Mスポーツ・フォードのリッチ・ミルナーは、セバスチャン・オジエとの素晴らしいバトルの末にチームに今季唯一の勝利をもたらしたローブをふたたび来季もモンテで走らせることについて合意に達するのは難しいと認めていたが、前向きに取り組んでいると語ってきた。

「もちろん、モンテカルロではセブに乗ってもらいたいと思っている。難しいとは思うが、挑戦することをやめないよ。もちろん現時点では、オイット(・タナク)にすべてのリソースを投入しなければならないし、ここでは現実的でなる必要もあるだろう」とミルナーは先週、英オートスポーツに対して語っていた。

 Mスポーツとレッドブルの交渉の詳細については明らかにされてないが、ローブにはもう一つ複雑な事情があった。ローブは、サウジアラビアで行われるダカール・ラリーに参戦する計画をもっており、1月15日日曜日のゴール後、すぐにモナコに向けて移動すれば17日火曜日から始まるモンテのレッキには間に合いそうだが、一度もテストしないままで本番を走るというタイトなスケジュールがモンテ出場の難点になると考えられてきた。

 ローブは12月初旬、自身のオフィシャルサイトで、ダカール参戦後の予定は未定であることを明らかにしていた。

 また、ベルギー・メディアのDHのレポートが正しければ、イギリス人ドライバーのガス・グリーンズミスもモンテカルロでプーマRally1をドライブしないことになる。

 グリーンスミスは、これまで世界選手権でのキャリアをすべてMスポーツで過ごしてきたが、先週末、フィンランド・メディアの『Rallit.fi』は、彼が来季のWRCにはGRヤリスRally1のレンタカーで数戦に出場するための話し合いをトヨタと行っていると報じている。トヨタのチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、オジエが参加しないイベントでは4台目のGRヤリスをレンタルする可能性があることを示唆していた。

 ラリー・モンテカルロのエントリーリストは1月9日に正式発表される予定となっている。