Raid2022/01/04

ローブとプロドライブ、初のステージ勝利

(c)ASO/DPPI

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 ダカール・ラリーの第2ステージが3日月曜日に行われ、BRXハンターを駆るセバスチャン・ローブが圧倒的なパフォーマンスで自身にとっては2019年以来、そしてプロドライブが運営するバーレーンレイド・エクストリームチームにとっては初めてのステージ勝利を果たし、初勝利にむけて素晴らしいペースをみせている。ローブのダカールにおけるこれまでの最高順位は、2017年にプジョーで参戦したときの2位だ。

 9度の世界ラリーチャンピオンであるローブは、このステージ勝利によって、総合首位のトヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRダカールハイラックス)のリードを9分16秒に縮めた。

 第44回大会を迎えたダカールの第2ステージは、当初、外部からのメカニカルアシストが禁止され、ビバークでの宿泊が義務付けられるマラソンステージとして計画されていたが、日曜日の大雨で浸水したアル・アルタウィヤのビバークを迂回し、代わりに第3ステージで予定されていたアル・カイスマのビバークでフィニッシュすることになった。

 第2ステージのタイム計測区間には影響がなかったものの、高速の砂地と曲がりくねった砂丘が混在する338kmのステージでは正確なナビゲーションが重要な要素となった。

 アル-アッティーヤがステージを最初にスタートし、ローブが2番手で走行した。ラリーリーダーは基本的に後続車のために道を開く必要があるので、最初の2つのウェイポイントの通過タイムをリードしたのはローブだった。

 ローブは快調なペースを刻み、60km地点で30秒近くあったリードをステージ中間地点では1分以上まで拡大、その後も一度も遅れをとることなく、フィニッシュまでに3分28秒のリードを築き、自身15回目のダカールにおけるステージ勝利を飾った。12分をリードして第2ステージを迎えたアル‐アッティーヤのリードは9分16秒に減ったものの、総合首位を維持した。

 初日の日曜日は散々な結果に終わったアウディ・スポーツ勢だが、アル・カイスマまでのステージでは3台のRS Q e-tronが素晴らしいペースを見せた。

 その中で最も速かったのは、ダカールで3度の優勝経験を持つカルロス・サインツで、彼は第1ステージでナビゲーション上のトラブルとパンクにより2時間以上を失ったが、アル‐アッティーヤから5分52秒遅れの3番手タイムを記録した。

 また、初日にリヤアクセルを破損し、ダカール15勝目の可能性が消滅したステファン・ペテランセルが4番手タイム、バーレーン・レイド・エクストリームのBRXハンターを駆るナニ・ロマが5番手でゴールしている。二人は最後から2番目のウェイポイントで1秒差まで詰め寄る攻防をみせたが、ダカールで14勝を誇るペテランセルが6秒差をつけてフィニッシュした。

 オープニングステージで苦戦したクルーにとっては良い1日となった。ヤジード・アル¬-ラジ(トヨタ・ハイラックス)が6番手、トヨタGAZOOレーシングのヘンク・ラテガン(トヨタGRダカールハイラックス)は、タイヤ空気圧を低くしてスタートしたことでパンクに見舞われたが、7番手タイムを記録している。

 総合順位では、オーバードライブのルシオ・アルバレス(トヨタ・ハイラックス)がトップのアル‐アッティーヤから40分遅れの3位に浮上した。2009年の王者であるジニール・ドゥ・ヴィリエ(トヨタGRダカールハイラックス)は、不調だった序盤のスプリットから見事な追い上げを見せ、8番手タイムでフィニッシュ、4位へとポジションを上げたが、ステージのゴール後、2輪のライダーと接触したにもかかわらず、安全を確認しないまま走り去ったことが問題となり、5分のペナルティを科されて6位となっている。

 これでVRTチームのウラジーミル・バシリエフ(BMW X3)が総合4位、オーレン・チームのマルティン・プロコップ(フォード・ラプターRSクロスカントリー)が3つ順位を下げて5位となっている。

 マティアス・エクストロームとサインツのアウディRS Q e-tronはトップ15から大きく離れており、エクストロームはアル‐アッティーヤから1時間55分52秒遅れの24位、サインツは2時間30分32秒の遅れの33位となっている。