WRC2020/07/30

ローマ成功に称賛の声、WRC開催を期待する声も

(c)Rally di Roma Capitale

 新型コロナウイルスによって休止していたシーズンは、先週末のラリー・ディ・ローマ・カピターレとともに再開することになった。マックス・レンディナと彼のモータースポーツ・イタリア・チームが、3月のラリー・メキシコ以来となるFIAラリー選手権イベントの開催を実現したことについて各方面から称賛の声が上がっている。

 コロナウイルスの感染対策のため、ステージでの観戦は禁止され、サービスパークへのファンの入場は禁止となり、サービスに入る人は全員が体温を測り、バーコード化されたパスで出入りの管理が行なわれることになった。世界ラリー選手権をはじめ、今後、さまざまなイベントが各国で再開するだけに主催チームによる感染防止対策への取り組みにはラリー前から関係者からも注目が集まってきた。

 WRCプロモーターであるオリヴァー・シースラがサービスパークにいたこともあり、イタリアの世界ラリー選手権が将来、サルディニアを離れてローマで開催されるのではないかという憶測が高まったが、ダニエル・ソルドとピエール-ルイ・ルベーが駆るヒュンダイi20クーペWRC、そしてフォード・フィエスタWRCのペドロが狭く、でこぼこで、テクニカルなステージを駆け抜けるシーンは、コロナウイルスという危機から立ち直った選手権のリスタートを強く想起させる感動的な光景ですらあった。

 プロモーターのレンディナは、WRカーのためのラリースターズ・ローマをERCイベントの前に設置したことで、イベントの注目度がさらにアップしたは語った。

「イベントが国際的な知名度を上げるのに絶好の機会となった。我々はFIAヨーロッパ・ラリー選手権と連携しているが、ヒュンダイとMスポーツの参戦は我々にとって素晴らしい機会であり、そのおかげで世界ラリー選手権に関わるメディアや国際的なメディアと接触することができた。本当に素晴らしいことだ」

 このイベントを運営したモータースポーツ・イタリアのチームマネージャーを務めるブルーノ・デ・ピアントは、常に変化し続けるパンデミックの性質が、彼のチームに懸念を与えていたと語った。

「3月のラリー・メキシコ以来、我々はこのラリーに非常に集中してきた。物事は常に変化していたが、我々は実現できると確信していた。ラリーを無事に終え、これを成し遂げたことを確認できたことはとても嬉しい」

 FIAラリー・ディレクターのイヴ・マトンは、ソーシャルメディアを通じて次のようにコメントを発表している。

「国際ラリーが先週末に行われたヨーロッパ選手権のラリー・ディ・ローマとともに再開したことは素晴らしいニュースとなった。安全に見応えのある競技を開催した主催者たちを心から称賛したい。FIAラリー部会はこれからもシーズン再開のお手伝いをさせていくつもりだ」