APRC2017/05/28

ヴェイビー、オーストラリアでAPRC初優勝

(c)National Capital Rally

 2017年アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第2戦ナショナル・キャピタル・ラリーでチームMRFのオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(シュコダ・ファビアR5)が雨を味方に逃げ切りに成功、参戦2戦目にしてAPRC初優勝を飾ることになった。

 クイーンズランドからキャンベラにホストタウンを移して開催された今年のAPRCオーストラリア・ラウンドは、初日、ヴェイビーがチームメイトのガウラブ・ギル(シュコダ・ファビアR5)との激しいバトルを制して11.9秒差をつけて最終日を迎えることになった。

 しかし、最終日、コースオープナーとしてスタートしたヴェイビーは雨によって滑りやすくなったステージを快走、朝のループの3ステージでその差を49.6秒へとひろげてみせる。

 さらに雨が強くなるなかコースコンディションが悪化、SS13のキャンセルが決まるなか、ヴェイビーは残されたSS12とSS14を慎重なペースで走りきって優勝を飾ることになり、わずか2ポイント差ながらギルを上回り、選手権リーダーとなった。

「本当にすばらしい勝利になった。昨日までは少しタイトだったが、今日のコースは僕に向いていたので良いペースをみせることができた。最後の2つのステージは確実にゴールするためにクルーズしたよ」とヴェイビーは語った。

 最終的に49.3秒遅れでゴールを迎えたギルは、コンディションの悪化に逆転のチャンスを失ったことに悔しさをにじませたが、ドラマもなく着実に2位でフィニッシュできたことを喜んだ。

「今日はかなり雨が降り、滑りやすく、グリップは数キロメートルごとに絶えず変化することになった。クルマとタイヤがどのように反応しているかを見ることは良い経験だったが、私たちのためにラッキーなのは、このタイヤでも正しいセットアップで行くことができたのでドラマもなかったよ」とギルは語った。

 首位から2分遅れの3位の表彰台に立ったのは、MパートABの三菱ミラージュAP4を駆ったヤリ・ケトマー。彼は雨で難しいコンディションとなった終盤の2つのステージでトップタイムを叩きだして、このマシンの戦闘力の高さを証明することになった。

 チームメイトのロバート・ブルームベリ(三菱ミラージュAP4)がはパンクとサスペンショントラブルに見舞われたものの、4位でフィニッシュしている。

 日本から出場した高橋冬彦(スバル・インプレッサWRX STI)は9位、伊藤暁(三菱ランサーエボリューションX)は技術的な問題によりデイサービスでリタイアを決意、ラリー2で最終日にリスタートした増村淳(三菱ランサーエボリューションX)は12位で完走を果たすことになった。

 併催されるオーストラリア・ラリー選手権では、22歳のハリー・ベイツ(トヨタ・カローラS2000)がレグ1につづいてレグ2でも勝利を収め、選手権をリードすることになった。彼は3月に開催されたユーレカ・ラリーで同選手権における史上最年少優勝を飾っている。