RallyCross2018/08/06

世界RXカナダでクリストファーソンが今季6勝目

(c)FIAWorldRallycross.com

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 2018年世界ラリークロス選手権第7戦のカナダ・ラウンドは、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロR)がワールドチャンピオンの名に相応しい走りで今季6勝目を獲得した。

 カナダのトロワ・リヴィエールで行われていた世界ラリークロス選手権第7戦は5日に最終日を迎えた。ポイントリーダーのクリストファーソンは、予選初日を9位で終え、二日目はダメージを最小限に抑える戦略を取ったが、Q3とQ4で最速タイムを獲得し、デイ1で首位に立っていたセバスチャン・ローブ(プジョー208WRX)を1ポイント抜いて中間順位でトップに立った。

 ローブはQ3でジョーカー後にマティアス・エクストローム(アウディS1)に接触されて、12番手タイムに終わったが、どうにか予選2位でセミファイナルに進んだものの、スタートで出遅れたためファイナルはペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロR)と並んで最後尾でのスタートになった。2列目にはエクストロームとともにチームSTARDのヤニス・バウマニス(フォード・フィエスタ)がシーズン初の決勝に進出、そしてフロントローには、ポールポジションを決めたクリストファーソンとチーム・プジョー・トタルのティミー・ハンセン(プジョー208WRX)が並ぶことになった。

 ファイナルのスタートは、ハンセンがややリードを奪ったものの、クリストファーソンが1コーナーでがっちり首位を奪い、ハンセンが追う展開となった。しかし、1周目のターン5でハンセンはミスを犯してイン側のバリアにヒットしためにレースリーダーのクリストファーソンに遅れを取ったが、どうにか2番手をキープ、エクストローム、ソルベルグ、ローブの集団を率いることになった。

 クリストファーソンは2周目を終えて2番手のハンセンに早くも1.2秒差をつけて独走、エクストロームは集団から抜け出してハンセンを激しくプッシュしたがハンセンのペースはクリストファーソンに匹敵するほど速いために抜くまでに至らず、エクストロームは3周目にジョーカーを選択することになった。ハンセンもすかさず動いて4周目にジョーカーをこなしてエクストロームを封じこめることに成功する。

 クリストファーソンは、新しいプジョーを駆るハンセンが勝利に匹敵するペースを持っていることを認識し、脅威を逃れるために5周目にジョーカーを選択して悠々と首位をキープ、2年連続のカナダ・ラウンド勝利を飾るとともに今季6勝目を獲得することになった。また、ハンセンが2位で続き、5周目のジョーカーラップでエクストロームの前に巧みに滑り込んだローブが3位表彰台に立つことになった。

 ドライバーズ選手権のリードを55ポイント差まで広げたクリストファーソンは、実際にはカナダが厳しい週末だったとふり返った。

「土曜日はとても悪い結果だったし、この勝利のためには本当に苦労しなければならなかった。予選初日はともにトラフィックに苦しんだが、最終日の朝もウォーミングアップのグラベルセクションでマシンを快適に感じられなかったんだ。でも、チームとペターのおかげで、ドライビングに集中できたし、ペターのグラベルのドライブと自分自身を比較できたんだ」とクリストファーソンは語った。

「決勝のスタートは最高の出来ではなかったが、(フロントローの)ティミーもそうではなかったが、そこから1周目でかなりのギャップを築くことができた。プジョーの速さはやっかいになっていたので、今週末はできる限り多くのポイントが必要だった。トロワ・リヴィエールでもう一度勝利できて良かったよ」

 ソルベルグは最後の2周の間、4位のエクストロームを激しくプッシュしたが、追いつくことはできず、シーズン初のファイナルを戦ったバウマニスは6位となっている。

 予選6位のアンドレアス・バックルド(アウディS1)は惜しくもセミファイナルでサスペンションを壊して敗退、GRXのニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)も予選7位でセミファイナルに進んだが、決勝に勝ち進むことはできなかった。