ラリー・メキシコのパワーステージのゴール地点に待ち受ける大きなジャンプで、勝田貴元は豪快に空を飛んでフィニッシュした。コドライバーのアーロン・ジョンストンが勝田のために全開で飛ぶよう指示したペースノートは「ジャパン・エアライン(日本航空)!」だった。
かつてのチームメイトは、今でも仲良しだ。勝田とオイット・タナクは、ラリー・メキシコのパワーステージ、エル・ブリンコのゴール地点に設けられたメガジャンプで、そろって激しく跳躍をみせている。WRC公式サイトは二人のジャンプがとびきり大きかったのは、どちらがより遠くまで飛ぶか競っていたからだと報じている。
勝田は、「ジャパン・エア・ライン!」というジョンストンのペースノートに従って60メートル近くを飛翔、その着地を成功させた勝田はジョンストンとうれしそうに握手していた。
勝田はステージエンドで、「アーロンがフラットで行けと言ったんだ! もちろん、コドライバーには従わないといけないからね」と、とびきりの笑顔をみせた。
タナクも勝田に負けないくらい巨大なジャンプでフィニッシュ、彼のプーマはあまりに激しい着地の衝撃でハイブリッドが正常に機能しているブルーのランプが一時確認できなかったほどだ。
タナクはあまりの痛みにこの挑戦を少し後悔しているかのようなそぶりを見せたが、最後は笑みが浮かんでいた。
「首がケツにめり込むのがわかった。これは、タカのせいだ。どちらがより遠くに跳ぶか賭けたんだ!」と、タナクは勝田がこの対決を提案したことを明かした。
WRCはソーシャルメディアでこの時の映像を公開しているが、最終的にどちらがこの賭けに勝ったかについてはふれていない。