WRC2021/01/26

初制覇から50年、アルピーヌがモンテ復活戦に勝利

(c)Renault/DPPI

(c)Renault/DPPI

 1971年のラリー・モンテカルロで初の総合優勝を果たしてから50年、アルピーヌはFIA世界ラリー選手権のイベントの頂点に返り咲いた。トリッキーで予測不可能なコンディションにもかかわらず、5台のアルピーヌA110ラリーはすべてフィニッシュまでたどり着き、FIAR-GTと2輪駆動のカテゴリーを制覇した。

 国際的なカレンダーで最も伝統のあるイベントのひとつであるラリー・モンテカルロは、ひとつのステージに雨、スノー、アイス、霧などを含む難しいコンディションが複数あることで有名だ。誰もが恐れるその挑戦で、アルピーヌはかつてその伝説を築いた。

 最初は1964年にジャック・フェレがアルピーヌA108でカテゴリー優勝し、次に1971年にオベ・アンダーソンがアルピーヌA110 1600Sで優勝し、最終的に1973年のWRC開幕戦でアルピーヌA110 1800Sが表彰台を独占した。

 記念すべき110周年を迎えた第89回ラリー・モンテカルロは、夜間外出禁止令が出され、観客なしでの開催となったにもかかわらず、その期待に応えて、あらゆるトラップを駆使したラリーとなった。

 数十台の4輪駆動車マシンのエントリーの後にスタートしたアルピーヌA110ラリーのエマニュエル・ギグー、ラファエル・アスティエ、セドリック・ロベール、ピエール・ラグ、フィリップ・バフォンは、即座にかつてないほど難易度の高い道路に出くわした。

 しかし、アルピーヌA110ラリーは、このようなコンディションに左右されることなく、木曜日の最初の2つの泥だらけのステージで2輪駆動のカテゴリーでトップに立ち、雨の金曜日、スノーとアイスに覆われた土日を通して、そのポテンシャルと可能性を見せつけた。

 ギグーは、初参戦となるラリー・モンテカルロで、SS2からR-GTカテゴリーをリードし、2018年FIA R-GTチャンピオンのラファエル・アスティエとセドリック・ロベールを抑えてアルピーヌA110ラリーをR-GTと2輪駆動の両カテゴリーで優勝に導き、総合22位でフィニッシュした。ピエール・ラグとフィリップ・バフォンも、ライバルたちに比べて経験が少ないにもかかわらず、50位以内に入った。

 アルピーヌA110ラリーの開発を手がけたシグナテックのディレクターを務めるフィリップ・シノーは、次のように語った。

「オベ・アンダーソンの歴史的な勝利から50年、この伝説的なラリーでのアルピーヌのカムバックを、これ以上ないほど素晴らしい結果で飾ることができた。当初からアルピーヌA110ラリープロジェクトに参加していたマヌ・ギグーが、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。またラファエル・アスティエも終始ペースを上げ、スタートした全クルーが過酷なコンディションにもかかわらず完走したことを誇りに思う。アルピーヌA110ラリーが自信を与えてくれたからこそ、雨、スノー、泥、アイス、霧の中、5人のドライバーは困難に立ち向かうことができた。このことは、アルピーヌA110ラリーの難しい道路での操作性の良さを改めて示してくれた!」