WORLDWIDE2018/09/03

勝田、「3位はうれしいが、優勝を狙えたはず」

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元、新井大輝およびコドライバーの足立さやかが、8月31日〜9月1日に開催されたフィンランド・ラリー選手権第6戦エンセットSMラリーに参戦。勝田・サルミネン組は総合3位に入賞し、ニカラ・足立組もクラス2位入賞、新井・レーティネン組が総合18位で3台揃って完走を果たした。

 フィンランド西部のサスタマラを拠点として開催されたエンセットSMラリーは、ラリー・フィンランドと似た高速のグラベルステージで構成され、勝田、新井はフォード・フィエスタR5にてSM1クラスに、ニカラ・足立組はR4仕様のスバル・インプレッサWRX STにてSM2クラスで参戦した。

 勝田・サルミネン組は最初のステージでポップオフバルブに不具合が発生し、タイムロス。トップから8.8秒遅れの9位からのスタートとなったが、次のサービスで不具合を解消して以降はスピードを上げ、SS6ではトップタイムを出すなど激しい追い上げを見せ、最終的に総合3位で表彰台を達成することになった。

勝田貴元:「最終的に3位に入れてとてもうれしいです。最初のステージでタイムロスしましたが挽回できてよかったです。天候など状況が刻々と変わり、とても難しいラリーでしたが、朝のトラブル以外は車の状態はとても良かったのでSS6ではトップタイムも出すことができ、その他のステージでもトップに近いタイムを出すことができました。本当は優勝を狙っていたのですが、いくつかミスもあり、まだまだ改善できる部分はあると思いました。コドライバーのマルコとチームのサポートに感謝しています」

 新井・レーティネン組は最初のステージでトップと1.5秒差の3番手タイムを記録したが、次のステージでパンクのためにステージ上でのタイヤ交換でタイムをロス、さらに続くステージでもコースオフを喫したが、午後には調子を取り戻し、最終的に18位でラリーを終えている。

新井大輝:「パンクをしてしまいとても残念でした。ライン上に岩があり避けることができませんでした。その後、次のステージで集中を欠いてしまって溝にはまり、コース上に戻るのにまたタイムをロスしてしまいました。その後自分を落ち着かせ、SS6からはスタート時と同じような気持ちに戻すことができました。リスクを取ることなく、トップと近いタイムを出すことができたのはポジティブな点でした。このラリーを通し、また多くのことを学び、ペースノートもドライビングもラリー・フィンランドのときよりずっと良くなったと感じました」

 SM2クラスのニカラ・足立組は序盤から彼らの良きライバルであるヘンリク・
ピエタリネンとトップ争いを続け、走行した7つのステージのうち4つのステージでトップタイムを記録し、SS7で遂にクラストップに立ったが、最終ステージ(SS8)を同タイムでフィニッシュ。その結果、最初のステージの順位を基準とするという同選手権規定によりクラス2位となった。

足立さやか:「結果的に順位が2位となったことは少し残念でしたが、良いラリーでした。1位になったピエタリネン・ルマー組と競うのは3度目で、良きライバルとしていつも僅差の争いを楽しんできました。私のペースノートリーディングも良くなっていると感じることができました。R5車両で戦ったラリー・フィンランドから今回はR4ベースの車両に戻り、フィーリングの違いが少し心配でしたが、落ち着いてノートを読むことができました。この2年間ヤルッコと一緒に参戦できてとても良い経験ができました。彼とチームの皆に感謝しています」

ヤルッコ・ニカラ:「ピエタリネン・ルマー組とのトップ争いはとても厳しかったです。彼らは朝のステージから全開でしたが、私は前回のラリーから車両が変わったこともあり、リズムを取り戻すのに少し時間がかかってしまいました。午後には全開でプッシュできるようになり、彼らに追い付くことができ、最終的に総合同タイムとなりました。とてもよいバトルができたと思います。サヤカのリーディングは非常によく、自信を持って運転することができました」

■講師コメント
ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター):「シーズンを良いかたちで終えることができました。勝田は序盤のタイムロスを挽回する素晴らしい走りをし、3位に入ることができました。新井はパンクが影響し集中力を欠いてしまいその後のミスもありましたが、午後には集中を取り戻すことができました。また足立にとってはとても良いラリーとなりました。ニカラも彼女のリーディングに満足し、よいドライビングをしました。足立はフィンランドのトップを争えるレベルになったと嬉しく思っています。このラリーをシーズンの最後に選んだ理由はトップのドライバーに対して彼らの成長度合いを図りたかったからです。今回の結果で、我々の進んできた方向が正しかったと言えると満足しています」