WORLDWIDE2019/05/26

勝田、ヤリスWRCでの初グラベル戦に勝利

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が、5月24〜25日に開催されたフィンランド・ラリー選手権第4戦リーヒマキ・ラリーでヒュンダイ・モータースポーツNのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20クーペWRC)との接戦を制して優勝を飾ることになった。

 勝田は、ヤリスWRCでのデビュー戦となった3月に行われたフィンランド選手権第3戦イタ・ラリーで総合優勝を飾っており、今回のリーヒマキ・ラリーがWRカーでの2戦目となる。前戦はウィンターコンディションでのラリーだったが、今回は初めてのグラベルラリーとなり、勝田にとって前戦と同様にヤリスWRCでの経験を積むための参戦プログラムになるはずだった。しかし、昨年までヒュンダイの育成ドライバーだったフットゥネンが急遽、i20クーペWRCでリーヒマキ・ラリーにおいてデビューを果たすことになったため、週末はトヨタとヒュンダイのジュニアドライバーによるWRカー対決に沸くことになった。

 雨によってウェットコンディションとなったこの日、勝田はオープニングSSでベストタイムを奪ってラリーをリード、その後もSS4まで連続してベストタイムを刻んだものの、フットゥネンも各ステージともにコンマ数秒差で続いており、この時点で二人の差はわずかに3.1秒。続くSS5ではフットゥネンが初のベストタイムを奪って首位に浮上するも、勝田はSS6のベストタイムで首位を奪還、そのままSS7とSS8もベストタイムを重ねてリードを12秒へと広げてリーヒマキ・ラリーで総合優勝を飾ることになった。

「序盤は少しだけナーバスになってしまった。スピードに少し自信がもてなかったからね。でも、フィーリングはどんどん良くなり、コンディションはかなりトリッキーだったが、マシンはいい走りだったし、かなり楽しんで走れたよ」と勝田は語った。

「朝からヤリ(・フットゥネン)との接戦になったが、彼はここがWRカーでの最初のラリーだったし、僕はヨエンスー(=イタ・ラリー)で1回走っていたので少しだけ自信があったので、そのことを忘れてはならない」と勝田は付け加えた。

 WRカーでのデビュー戦を走ったフットゥネンは、このあとさらに6月のポーヤンマー・ラリーをi20クーペWRCで走ったあと、ラリー・フィンランドでWRカーデビューを果たすとも噂されているが、彼はいまのところ計画ははっきりしていないと語っている。

「この週末は計画どおりに行ったし、クルマのことを多く学ぶことができたよ」とフットゥネンは語った。「このようなマシンを初めて走らせることはプレッシャーも掛かることだし、どうなることかとも思っていたが、予想したより少しうまくいったところもあるくらいだし、いい経験を積むことができたよ。このマシンでの参戦が続くのかこれきりなのかまだ僕はなにも知らされてないが、そうなったら大満足だよ」

 勝田とともにフットゥネンもこのあとポルトガルに移動、二人は今週末はWRC2のラリー・デ・ポルトガルでふたたび対決することになっている。