WORLDWIDE2019/03/03

勝田、ヤリスWRCのデビュー戦に勝利

(c)SM Itaralli

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は、トヨタ・ヤリスWRCのデビュー戦となったフィンランド・ラリー選手権第3戦イタ・ラリーで総合優勝を飾った。

 カーナンバー1をつけてヤリスWRCでの初めてのラリーに挑む勝田にとって、この一戦はR5マシンで出場するフィンランド選手権のレギュラーメンバーとの戦いというより、吹雪のようなコンディションとなった高速ステージにおいて自身との戦いに集中することとなった。

 勝田はオープニングSSでライバルたちに14秒差をつけてラリーの主導権を握るが、一番手のポジションで路面の雪かきと視界の悪さに苦しめられることになり、SS3ではスピンを喫してフロントスポイラーにダメージを負ってしまう。

 それでも首位をキープした勝田だが、午後になってますます強く降り始める雪のなかで苦戦、一時、総合首位をエミル・リンドホルム(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)に明け渡すことになったが、それでもクリーンな走りを続けて最終ステージにおいて0.8秒差で逆転、ヤリスのデビュー戦で総合優勝を飾ることになった。

「雪によって路面コンディションが変化したことで僕にとってはとてもタフなラリーになった、(一番手での)ドライブはけっして簡単ではなかったよ。(SS3では)中高速コーナーでスピンしてエンジンを止めてしまい30秒あまりを失ってしまったが、今日のステージは僕にとっていい経験だった。リラックスして間違いを避けることができていたが、時々ドライブが少し積極的すぎることもあった。初めてのヤリスでの体験はとても素晴らしい経験だった。このチャンスを与えてくれたトミ・マキネン代表とトヨタGAZOOレーシングに感謝したい。ヤリスはとてもいいクルマで速かった。しかし、ドライビングを適応させるためにはまだまだ経験が必要になると思う」と勝田は戦いをふり返っている。

 フィンランド選手権のトップカテゴリーのSM1クラスは、リンドホルムが開幕戦に続いて2勝目を飾ることになった。彼はラリー・スウェーデンに出場するために第2戦をスキップしているが、2戦目の今回ふたたび優勝を飾って、選手権リーダーのテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアR5)を追撃している。