WRC2022/11/23

勝田、日本での3位がワークス昇格の決め手に

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラは、2023年の世界ラリー選手権で勝田貴元をメインチームに昇格させたのは、その一貫したリザルトがサードドライバーにふさわしいものだったとその理由を説明した。

 勝田は2019年にラリー・ドイッチュランドでWRCのトップカテゴリーにデビューし、10位入賞で初めてのポイントを獲得、2021年からはフルタイムで参戦してきた。

 勝田は昨年のサファリ・ラリー・ケニアでは初表彰台を獲得したが、勢いに乗ったかに見えたのも束の間、コドライバーの相次ぐ交代でリズムを崩し、2021年の後半は散々な結果に終わった。

 しかし今年、勝田は非常に安定した走りでトヨタ・ネクストジェネレーションチームのマニュファクチャラーポイントを獲得し、1年を通して完走を逃したのはニュージーランドだけだった。さらにケニアと日本で2回の表彰台を獲得している。

 トヨタは来年もカッレ・ロヴァンペラ、エルフィン・エヴァンス、セバスチャン・オジエ、エサペッカ・ラッピという今年のドライバーズラインナップを維持する予定だったが、ラッピのヒョンデへの移籍により、オジエとともにシーズン半分の3台目のGRヤリスRally1を共有する空席ができた。

 ラトバラはそのポジションについて複数の電話やメールを受け取ったことを認めたが、チームとしては勝田がステップアップの準備ができていると評価していたと述べた。

「2022年のシーズンを見てみると、タカはおそらく最も安定したドライバーだった」とラトバラは評価した。

「彼がポイントを獲得できなかったのは、コースオフしたニュージーランドの1回だけで、他のイベントではすべてポイントを獲得し、2度の表彰台を手にしている」

「私にとって、一貫性は3台目のマシンに最も必要な要素だ。なぜなら1台目、2台目のマシン、カッレとエルフィンはフルシーズンを戦い、ドライバーズチャンピオンシップを争っているからだ」

「しかし、3台目のマシンはドライバーズチャンピオンシップのチャンスがないので、1台目2台目に何かあったときのために、彼らが安定してポイントを獲得することが必要なんだ」

「我々はチームオーダーは持たないが、考え方として、そのポジションにコンスタントにいられるドライバーが必要ということだ。そしてタカは、彼が安定していることを証明してきた」

 その決定がいつ行われたかを尋ねられたラトバラは、ラリー・ジャパンの前にチームとして構想はあったが、しかし、ヒョンデが日本で1-2フィニッシュを飾ったときに、勝田が3位に入ったことでトヨタの面目を保ったことが決め手となったと答えた。

「ラリー・ジャパンの前に、ドライバーズラインナップについて、かなり明確な構想を持ち始めていた」とラトバラは語った。

「しかし、我々の計画が正しいことを証明したのは、タカの3位という結果だ。それは非常に明確な計画だったが、確証が欲しかった」

「タカが表彰台に上ったことで、来シーズンのラインナップが明確なものに変わった」