JAPAN2019/07/29

勝田が横手ラリー優勝、大輝はエンジン破損

(c)Takeshi Dakuma

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 7月27-28日に行われた全日本ラリー選手権第7戦横手ラリーは、初日から6連続ステージウィンを奪って完全逃げ切り態勢だった新井大輝/小坂典嵩(スバル・インプレッサWRX STI)がエンジンブローのためにリタイアとなり、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が逆転で優勝を飾ることになった。

 全日本ラリー初開催となる横手ラリーは、鎌田卓麻/鈴木 裕(スバルWRX STI)がオープニングSSでベストタイムを叩き出してリードを奪って始まったが、彼は続くSS2でクラッシュ、マシンの前後を破損してリタイアとなってしまった。これで首位に立ったのは、新井大輝はSS2からSS5まで6連続ベストタイムを奪い、2位につける奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)に28.5秒という差を築いて初日を終えることになった。

 35度を超える猛暑となった初日、一週間前にヨーロッパで40度を超えるなかでのラリーを経験してきた新井大輝は「暑さには体が慣れていたが、エンジンがオーバーヒートの症状があった。そのため、午後のループでは水温を下げるためにヒーターを入れて走行を行った」と明かすことになった。もちろん熱波に苦しんだのは彼だけではない。勝田は熱中症に悩まされながらも首位から36.6秒遅れの3位で続き、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)は高温に加えてソフトなサスペンションセッティングが裏目に出たこともあってタイヤの摩耗に苦しめられて43.0秒遅れとなっている。

 前日よりやや過ごしやすい気温のなかで始まった最終日は、2位につけていた奴田原がパンクのために32秒を失って4位に後退するなか、新井大輝がSS7で6つ目のベストタイムを奪って発進することになった。奴田原のトラブルで2位に順位を上げた勝田も、SS8でこのラリー初のベストタイムを奪ったものの、首位からは34.2秒と大きなビハインドとなっている。

 だが、このまま逃げ切って前戦に続く2連勝を飾るかにも見えた新井大輝にまさかのドラマが待っていた。SS9でエンジンを壊した彼は、やむなくマシンを路肩に止めることになってしまう。これで首位争いは勝田と6.8秒差で続く新井敏弘によるバトルとなったが、勝田が最終的に31.9秒差をつけて新城ラリー以来となる今季2勝目を飾ることになった。

 また、JN-2クラスは上原 淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック)、JN-3クラスは山本悠太/山本磨美(トヨタ86)、JN-4クラスは関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)がそれぞれ優勝を飾り、JN-5クラスで優勝を飾った天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)がクラスチャンピオンを確定、同じくJN-6クラスも大倉 聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)が優勝してクラスチャンピオンを確定させている。

 全日本ラリー選手権次戦のラリー北海道は9月20-22日に開催される予定となっている。