WRC2019/05/11

勝田がWRC2の2位、WRC2プロはロヴァンペラが首位

(c)Michelin

(c)Toyota

 ラリー・チリ金曜日のWRC2プロ選手権ではシュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5)が午後のステージで思い切った攻めを展開しリードを奪っている。

 この日の午前中の3つのステージは、このカテゴリーでは今シーズン現在勝率100パーセントを誇るマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)がすべて制し、記録保持に順調なスタートを切っている。

 だが、オストベルグは朝のループで10.9秒のリードを築くが、午後に入るとロヴァンペラが形勢を覆してオストベルグからトップを奪うと最終的に2.4秒をリードして1日目を終えることとなった。

 Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)はトラブルを抱えながらの一日を戦い、3位で終えている。彼のクルマは午前中を通してエンストを繰り返し、また午後にはパワーステアリングの問題によりさらなるタイムロスを強いられ、1分45秒差がついている。そしてボリビア出身のマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)が4位となっている。

 プライベーターのためのWRC2カテゴリーではトヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)がベストタイムで発進、地元チリのアルベルト・ヘラー(フォード・フィエスタR5)と激しいトップ争いを繰り広げることになった。

 勝田は雨の影響が残るマディなコンディションとなった難しいオープニングSSでリードを奪ったものの、A.ヘラーは続くラリー最長のSS2でリード取り返すことになった。それでも勝田はSS3ではベストタイムを奪い返して朝のループを4.4秒差の2位で終えることになった。

 気温が上昇してドライなセクションもでてきた午後のループでは、ホームの大観衆の期待に応えたA.ヘラーが2つのロングステージでベストタイムを連取、勝田もコンセプションのストリートステージでこの日3つめのベストタイムを奪ったものの、24.5秒差をつけたA.ヘラーが初日のリードを保っている。

 勝田は後続からのプレッシャーを受けることなく走りきり、コンセプシオンに戻ると、選手権リーダーのメキシコのベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)に50.0秒差をつけている。

 アルゼンチンのマルティン・スクンチョ(ヒュンダイi20 R5)は40秒のペナルティを課せられながら4位となっている。彼の30秒以上後方に5位のサミュエル・イスラエル(シトロエンC3 R5)、6位には0.7秒の僅差でクリストバル・ヴィダウッレ(シュコダ・ファビアR5)が入っている。

 アルベルト・ヘラーとは対照的に兄のペドロ・ヘラー(フォード・フィエスタR5)は悔まれる結果に終わっている。彼はオープニング・ステージで横転、それに続くように同郷ドライバーたち数人もこの難しいコンディションの中でリタイアに追い込まれている。

 エミリオ・フェルナンデス(シュコダ・ファビアR5)はクラッシュ、ベンジャミン・イスラエル(シトロエンC3 R5)、ホルヘ・マルティネス(シュコダ・ファビアR5)、フェリペ・ロッシ(フォード・フィエスタR5)、ゲルマン・リオン(シトロエンC3 R5)トーマス・エッチェヴェリー(ヒュンダイi20)らがリタイアとなっている。