WRC2019/06/15

勝田貴元、足回りの破損で惜しくもWRC2を3位発進

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 ラリー・イタリア・サルディニアのWRC2初日は、トヨタGAZOOレーシング・チャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が惜しくもアンチロールバーを破損するトラブルに見舞われて3位に後退するなか、ピエール-ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)が2連勝に向けて余裕のリードを築いている。

 今月初めにポルトガルでカテゴリーを制したルベーは、初日を終日リードし、ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)に対し22.2秒のアドバンテージを築いている。

 ルベーがトラブルもほとんどなくレグを走り切ったのに対し、グリアジンはパンクとダンパー破損に阻まれることになったが、初挑戦のサルディニアでの勝利を彼は諦めてない。

 グリアジンの36.2秒後方には勝田が続いている。勝田は朝のループではSS4テルグ〜オジーロでベストタイムを奪うなどルベーと対等のバトルを演じていたが、午後のループの最初のステージでアンチロールバーを破損。それでも彼はタフな一日を耐え切ってポディウムチャンスにつけている。

 勝田の9.4秒後方の4位にはシモーネ・テンペスティーニ(ヒュンダイi20 R5)が続き、シュコダ・ファビアR5にマシンを変更したカイエタン・カイエタノビッチは数度のパンクに見舞われるものの5位に入っている。ボリビア出身のマルキート・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)が6位となっている。

 ファビオ・アンドルフィ(シュコダ・ファビアR5)はファビアのフロントタイヤが外れてリタイア、オーレ・クリスチャン・ヴェイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は前日の開幕ステージでサスペンションの破損でリタイアとなり10分をロスした上、午前中のパンクでさらにタイムロスし、王者へチャレンジするという彼の期待は阻まれる結果となっている。

 また、WRC2プロの初日は、シュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラが、チームメイトのヤン・コペツキとのスリリングなバトルを経て、わずかなリードを保っている。

 新しいシュコダ・ファビアR5エボを駆るシュコダ・モータースポーツの二人は2度に渡って首位を入れ替える戦いの末、最後はロヴァンペラが0.6秒の僅差をリード、暑く、ダスティな1日を締めくくることとなった。

 午前中、ロヴァンペラはトップに立つが、クルマのセットアップがしっくり来ず、中間ではコペツキが7.4秒のアドバンテージを奪う展開となる。

 サービスでセットアップの変更を行なったことでロヴァンペラの走りも大きく変化、午後になると再びリードを奪い返すことに成功する。それでも最終ステージでコペツキもその差を詰め、ラリー最長のレグとなる土曜日に向けて、戦いの行方が分からない展開となっている。

 マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)が3位に入っているが、彼はダスティなセクションで石にヒットしたことでシトロエンC3のトラックコントロール・アームを破損し、11分近く遅れた状況となっている。ロードサイドでの修理作業を行い、走り終えた7つのステージのうちの5つで最速タイムを記録している。

 ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)は2位につけていたが、バンクに転落してリタイアに追い込まれている。

 また、選手権3位につけていたウーカシュ・ピニオウジェックは予算不足のために参戦を取り止めている。