WRC2018/05/02

新井、「WRCポルトガルに向けいい準備ができた」

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元、新井大輝が、4月27〜28日に開催されたポルトガル・ラリー選手権ラリー・デ・モルタグアにフォード・フィエスタR5で参戦。新井・マクニール組が総合優勝、勝田・サルミネン組が総合3位を獲得した。

 ラリー・デ・モルタグアは新井と勝田が5月に参戦するFIA世界ラリー選手権(WRC)ラリー・ポルトガルのステージと酷似しており、クルーは次戦に向けた準備を行うとともに、昨年の9月以来となるグラベルラリーにおけるリズムを取り戻すことに集中することになった。

 新井・マクニール組は土曜日の最初のスペシャルステージでベストタイムを記録しトップに立つと、その後も順調な走りを続け、合計5つのSSでベストタイムを獲得。土曜日午後のステージでは天候が突然変化し、ドライコンディションに合わせた車両で集中豪雨の中での走行を強いられたが、後続車両に対するリードをうまく保ち、2位に1分以上の差をつけ総合優勝を果たした。

「優勝できてとてもうれしいです。午後のループで集中豪雨が発生し、滑りやすい道路で課題に直面し、決して簡単ではありませんでしたが、次戦でもまさに起こりうる状況なのでよい練習になりました」と新井は語った。

「金曜日の夜のステージは少し難しかったですが、土曜日からのグラベルではすぐに自信をもって走行できました。ラリー前のテストではミッコ・ヒルボネンの運転する車両に同乗し、多くのアドバイスをもらい、リードをどのようにキープするかを学びました。土曜日の午後のループが終わった時点ですでに40秒のリードがあったので、2位とのタイム差を管理しながら走行することができました」

 また、勝田・サルミネン組は、SS4まではトップの新井と12.4秒差で総合2位につけていたが、SS5で左フロントを岩にヒットしパンク、4位に順位を落としたが、次のSS6ではベストタイムを記録するなどして猛チャージ、最終的に3位でラリーを終えている。

「S5で岩を避けられずにパンクし、その状態のままステージゴールまでの約5キロを走行しました。パンク自体はとても残念でしたが、なんとかゴールまで車を持っていくことができたのはポジティブな点でした」と勝田は語った。

「また、直後のステージではトップタイムを獲ることもできました。以前ならアクシデントのあと落ち着いて対応できなかったので、成長を感じることができました。最終的には結果に満足していますし、何より次戦に向け良い経験を積めたことがよかったです。スノーやアスファルトのラリーではリズムも身に付き、自分のペースがわかってきたと思っていますが、グラベル走行でも同じフィーリングを得つつあると感じています。

 二人のチーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは次のようにコメントした。

「両クルー共にスピードと成熟度を示してくれ、チームにとって非常に良いラリーとなった。我々のクルーにとってグラベル走行は昨年以来だったので、次戦でのステップアップに向けた良い準備ができた。道を熟知した地元のドライバーたちに交じり、雨や舗装路の走行をグラベル用のセットアップで走行したことなど、様々な条件でテストをすることができた。今回はこれ以上ない結果になったが、もちろん今後もさらに上を目指して改善の方法を探し続けるつもりだ」