WORLDWIDE2017/05/10

新井が海外初総合優勝、勝田も1.2秒差2位

(c)Tommi Makinen Racing

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 新井大輝が、5月5〜6日にポルトガルで開催されたラリー・デ・バイアン・アマランテで総合優勝を飾ることになった。また、惜しくも1.2秒差で勝田貴元が続き、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムでヨーロッパ修行中の二人がそろって表彰台に立った。

 新井と勝田は来週末に行われる世界ラリー選手権第6戦のラリー・デ・ポルトガルのWRC2カテゴリーにトミ・マキネン・レーシングのフォード・フィエスタR5で参戦することになっており、先週末からアマランテ地方のかつてのWRCの舞台となったグラベルのクラシックステージでトレーニングを行い、その締めくくりとして先週末にポルトガル・グラベルFPAKラリーカップの一戦として行われたラリー・デ・バイアンに出場していた。

 ラリーは金曜日の夜21時から行われた1.46kmのスーパーSSアマランテの2回の走行で開幕、昨年のウィナーであるジョアン・バロス(フォード・フィエスタR5)がリード、これに勝田が1.9秒差で続く展開となった。

 しかし、土曜日のオープニングSSとなった14.95kmのSS3バイアンで速さを見せたのが新井。初日を4.2秒差の3位で終えた新井はこのステージでライバルに13.5秒差をつけるベストタイムで首位に浮上、これに11.2秒差の2番手で勝田が続くことになったが、続く14.07kmのSS4マラオでは今度は勝田が新井に12.7秒差をつけるベストタイム、勝田が1.5秒差でリードを奪うことになった。

 バイアンの2回目の走行となるSS5で新井がふたたびベストタイムをマーク、6.4秒差で勝田が続き、朝のループを終えて地元バロスはすでに27秒差で遅れることになった。

 新井と勝田は午後になっても好調な走りをキープ、マラオの2回目の走行となるSS6で新井がベストタイムを奪って勝田を16.4秒差で突き放したかに見えたが、勝田は次のマラオの3回目の走行となるSS7で新井を15.6秒上回り、0.8秒差まで迫って最終ステージを迎えることになった。しかし、1.44kmの短いステージでこの日4つめのベストタイムを奪った新井がわずか1.2秒差で逃げ切って海外チャレンジで初の総合優勝を飾ることになり、勝田も最後までミスのない走りで総合2位でフィニッシュすることになった。

「まだまだ自分の運転ミスが多く、反省することばっかりですが、世界選手権へ向けて良い調整が出来ました。ちなみにラリーでの総合優勝は初めてです」と新井は自身のSNSにおいて喜びを語っている。

 いっぽう、勝田はスピンによって2位になったとはいえ、初めてのポルトガルのグラベルでの完走が自信になったようだ。

「最後は接近しましたが、1.2秒届かず2位でした。天気も難しく、スピンもしましたが、初めてのルースグラベルを無事に完走できて良かったです!」