JAPAN2020/09/14

新井大輝がラリー北海道で2年連続優勝

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 全日本ラリー選手権第9戦ラリー北海道が9月12-13日に行われ、新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI)が2年連続で優勝を飾るとともに選手権リーダーに浮上することになった。

 新型コロナウイルスの流行に伴いラリー北海道の後に開催が予定されたモントレー2020、ハイランドマスターズはすでにキャンセルとなっており、さらに先週には11月に開催予定だった久万高原ラリーが急遽キャンセルを発表したことから、今季の選手権に残されているのはこの北海道と最終戦のツール・ド・九州in 唐津のみとなっている。ラリー北海道もコロナの影響によってすでにアジア-パシフィック・ラウンドの開催を見送っており、感染拡大を防ぐために無観客開催という苦しい決断はあったものの、全日本選手権の今季3戦目のラウンドとして開幕を迎えることになった。

 ラリー北海道は前夜までの雨が上がり曇り空のもとで初日がスタート、前戦のラリー丹後で優勝を飾った鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI)がリード、これを新井大輝が追う展開で始まることになった。しかし、SS2では新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がベストタイムで首位へと浮上するも、鎌田はSS3でふたたびベストタイムで首位を奪い、新井大輝と新井敏弘のアライ・モータースポーツの2台のWRXがそのあとに続く展開となる。

 鎌田は午後のループでも2つのベストタイムでリードを拡大、新井大輝に5.9秒、新井敏弘に7.7秒の差をつけて初日の最終ステージを迎えたものの、駆動系のトラブルからペースをダウン、初日は新井大輝がトップ、2.1秒差の2位に新井敏弘、鎌田は8.1秒差の3位へと後退してしまう。

 小雨となった最終日は、逆襲が期待された鎌田がウェットとなった朝のステージでタイムを落とすなか、新井敏弘がベストタイムを奪って新井大輝に0.6秒差まで急接近して始まることになる。

 それでも新井大輝はSS10ではじわりと0.4秒引き離し、さらにSS11でもベストタイムを叩き出して1.9秒その差を広げ、新井敏弘に対して2.9秒リードして最終ステージを迎えることになる。

 新井大輝は最終ステージでもリードを4.8秒まで広げて首位でフィニッシュ、最後まで息をつく暇のないバトルを制して今季初優勝を飾り、JN-1クラスをリードすることになった。鎌田は惜しくも15.5秒差の3位となっている。

 勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)はシフトレバーを破損して初日にリタイア、リスタートした最終日には最終ステージでベストタイムを奪ってみせたが、不運なトラブルでタイトルの可能性を失ってしまった。また、柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI)もまた初日のコースオフでリタイアとなっている。

 また、JN-2クラスは中平勝也/石川恭哲(トヨタ86)、JN-3クラスは山本悠太/山本磨美(トヨタ86)、JN-4クラスは古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5は大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)、JN-6は明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツCVT)がそれぞれ優勝を飾っており、明治と里中はこの勝利でJN-6王者を確定している。

 全日本ラリー選手権最終戦のツール・ド・九州in唐津は11月27-28日に佐賀県唐津市周辺で開催予定となる。