JAPAN2016/09/26

新井敏弘が北海道で逆転勝利、今季3勝目を獲得

(c)Takeshi Sakuma

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 全日本ラリー選手権第7戦ラリー北海道が7月23〜25日に北海道帯広市を中心に行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が最終日に奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)を逆転、3.7秒差で逃げ切って今季3勝目を飾っている。

 8月から9月にかけて十勝地方を相次いで台風が襲いかかり、ラリールートへの影響が懸念されたものの、林道は主催者たちの努力によって補修が行われ、一部のステージでは短縮があったものの、パーフェクトなコンディションでラリーのスタートの日を迎えることになった。

 だが、金曜日のスタートセレモニーからふたたび雨が強く降り始め、フルウェット・コンディションのなかスーパーSSから戦いの火蓋が切られることになったが、この雨によって土曜日のオープニングSSには波乱の展開が待っていた。

 ターマックステージとなるSS2イケダは、朝までに雨は上がったものの、泥と落ち葉がコースを覆うトリッキーなコンディションとなり、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)がいきなりコースオフ、プロペラシャフトを壊してリタイアとなったほか、ラックスポーツのヘイキ・コヴァライネン/北川紗衣(トヨタGT86 R3)もコースアウトに消えることになってしまった。

 この難しいステージを制して首位に立ったのは奴田原、彼はそのまま快調なペースをキープ、この日4つのベストタイムでラリー初日をリードすることになったが、彼を上回る5つのベストタイムを叩きだした新井が6.2秒差の2位につけることになった。

 そして最終日は前夜にセッティングを見直した新井が朝からスパート、SS12、13で連続してベストタイムを奪い、奴田原の1.9秒差まで迫ることになった。新井は、勝負がかかった29.11kmのニューアショロ・ロングのステージでも奴田原を5秒突き放すベストタイムで一気に首位に浮上するや、奴田原に逆転の隙を与えることなく逃げ切り、第6戦モントレーでの勝利に続いて、今季3勝目を飾ることになった。

 3位には初日のクンネイワ・ロングなど2つのステージでベストタイムを奪った鎌田卓麻/市野 諮(スバルWRX STI)が首位から58.1秒差で続き、今季3度目の表彰台を獲得している。

 JN5クラスは、2位につけていた関根正人/小坂典嵩(シトロエンDS3 R3T Max)が初日にジャンプの着地でラジエータを傷めた後、オーバーヒートでストップしたため、柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)が独走で今季4勝目を飾っている。

 また、JN4クラスは小倉雅俊/平山真理(ダイハツ・ブーンX4)が優勝、JN2クラスは明治慎太郎/谷内壽隆(トヨタ86)、JN1クラスは高篠孝介/廣島真(スズキ・スイフト)がそれぞれ優勝を飾り、JN3クラスで優勝を飾った天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)がチャンピオンを獲得している。

 全日本ラリー選手権の次戦は10月14〜16日に開催されるMCSCラリーハイランドマスターズ2016となっている。