APRC2018/06/02

炭山がAPRCオーストラリアの部門をリード

(c)APRC

 オーストラリアのキャンベラをベースに開催されている2018年アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第2戦ナショナル・キャピタル・ラリーが6月2日に初日を迎え、地元オーストラリアのイーライ・エヴァンス(シュコダ・ファビアR5)が総合トップに立つ展開となっており、選手権をリードするクスコ・レーシングの炭山裕矢(シュコダ・ファビアR5)は路面掃除に苦しみながらも総合4位、APRC部門をリードしている。

 ナショナル・キャピタル・ラリーは、APRCとオーストラリア選手権(ARC)が併催されており、APRCレギュラーメンバーのほか地元の強豪ら15台がエントリー、土曜日のオープニングステージから速さを見せてトップに立ったのはタンクフォーマーズ・チームのエヴァンスだった。

 彼は、ARC前戦でこれまで駆っていたMINIクーパーAP4から、昨年APRC王者となったチームMRFをハンドリングしていたレーストルク・エンジニアリングからレンタルされたファビアR5にスイッチ、いきなりデビュー戦において2つのヒートとともに優勝を飾って選手権リーダーに立っている。

 SS2、SS3でも連続してベストタイムを刻んだエヴァンスは、朝のループを終えて地元キャンベラ出身のハリー・ベイツ(トヨタ・ヤリスAP4)に対して19.7秒差をつけてラリーをリードすることになった。

 SS2ではコースに飛びだしたカンガルーに集中力を乱されたベイツは、午後のループでは2連続ベストタイムを刻んで首位まで17.8秒差に迫ることになったが、彼はSS8でターボトラブルのため3分をロスして6位まで後退してしまい、8ステージのうち6つのステージを制したエヴァンスが46.3秒をリードして初日を終えることになった。

「MINIをさらに開発するために僕らはシュコダを借りることを決めたが、本当に弱点のない素晴らしいマシンだ」とエヴァンスは語った。

「朝のループのバンピーなところで判断をミスしてフロントをヒット、バンパーを少し壊したけれど、トラブルはそれだけだった。ハードな1日だったし、道路は非常に荒れており、R5マシンでも厳しかった」

 2位にはスティーブ・グレネー(スバルWRX STI)、3分7秒差とやや遅れたエイドリアン・コッピン(シュコダ・ファビアR5)が3位で続いている。

 いっぽう、APRCノミネートのクスコ・レーシングの2台のマシンは荒れて石が転がるラフなステージを1-2番手のポジションでスタートするというハンデを負い、大きくタイムをロスすることになった。朝のロングステージに続いて3回の走行が行われた1.69kmのホームステッドのショートステージで炭山は2番手タイムを1回、3番手タイムを2回出す速さをみせたが、午後のロングステージでも路面掃除に苦しんで総合4位となったが、APRCをリードしている。

 また、一番手スタートとなったチームメイトのマイケル・ヤング(トヨタ・ヴィッツ4WD)は朝のループの高速ジャンプでステアリングを曲げ、午後もパンクに見舞われてしまい総合7位となったが、彼はAPRCの2位につけており、クスコ・レーシングが初日を終えてAPRC部門の1-2を築いている。

 優勝候補の一人にも挙げられたモリー・テイラー(スバルWRX STI)はSS3コウエンのラフなセクションでのパンクとリム破損に苦しんだほか、クロスメンバーを破損するトラブルによって7位という残念なスタートになっている。