RallyCross2018/09/30

病気克服のソルベルグ、アメリカRXの初日トップ

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 2018年世界ラリークロス選手権第10戦のアメリカ・ラウンドが29日にテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開幕、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンのペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロR)が初日のQ1とQ2を制してトップに立っている。

 世界ラリークロス選手権初開催となるアメリカ・ラウンドは、この週末にCOTAで開催されるフェスティバル・ウィークエンドのメインレースとして開催され、アメリカズ・ラリークロス選手権(ARX)の最終戦も併催されている。

 ソルベルグは今季これまで勝利にめぐまれないシーズンを送ってきたが、COTAラウンドでは初日から気合いの入ったスピードをみせることになった。ソルベルグは、Q1では1コーナーの進入でトップを奪ったマティアス・エクストローム(アウディS1)がオーバースピードでインをわずかに緩めた瞬間に冷静な走りで首位に浮上、1番手タイムを記録することになった。

 Q2も二人によるフロントローの対決となったが、素晴らしいスタートを決めてここでも圧勝を飾ったソルベルグに対して、エクストロームはQ1と同じ展開になるのを嫌ってジョーカーラップを選択することになった。しかし、エクストロームの追い上げは前走車に阻まれてペースが上がらず、終盤でジョーカーを終えてコースに戻ったセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)にプッシュされて6番手に終わることになった。それでも予選初日を終えて、トップのソルベルグに続いてエクストロームは2位につけることになった。

 肺疾患にも苦しみ、なかなか結果が出させない厳しいシーズンが続いてきたソルベルグは、予選初日トップの喜びに感極まっていた。

「もちろんトップはうれしいよ。タフなシーズンになっていたし、病気にも耐えなければならなかったからね。ほとんどレース活動からリタイアすることも覚悟したこともあった。それだけに信じられないほどうれしいよ。うまく勝つことができたQ1に続いて、Q2でも素晴らしいレースができた。あとは明日もいいレースをしたいね!」

 初日3位にはシェイクダウンでトップタイムを奪いながらもスタートポジションに恵まれなかったEKSチームのアンドレアス・バックルド(アウディS1)がつけており、4位には旧スペックのマシンながらQ2で3番手タイムを奪ったチーム・プジョー・トタルのケヴィン・ハンセン(プジョー208 WRX)が続いている。

 これまでシーズン9勝を飾って選手権に王手を掛けているヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロR)はQ1で一周目にジョーカーを選択したプジョーの2台とともにジョーカーラップに進入したためワイドになってしまい13番手タイムに終わり、Q2では2番手タイムと挽回したものの、予選初日は5位に終わっている。

 予選初日6位にはチーム・プジョー・トタルのティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)が続き、チームメイトのローブはQ2でのエクストロームでの接触に対して5秒のペナルティが課されたため12番手に終わり、初日は7位で終えることになった。

 また、併催されるARXの最終戦では、フォルクスワーゲン・アンドレッティ・ラリークロスのタンナー・ファウスト(フォルクスワーゲン・ビートル)がQ1とQ2を制して予選トップに立っており、レンブロ・モータースポーツのスティーブ・アルピン(フォード・フォーカスRS RX)が2番手で続いている。

 選手権トップのスコット・スピード(フォルクスワーゲン・ビートル)はケン・ブロック(フォード・フォーカスRS RX)に接触されて初日は5位と出遅れている。

 スバル・ラリーチームUSAは3台のスバルWRX STIを投入、チーム初参戦のトーマス・ヘイッキネンがQ2で3番手タイムを奪う好走をみせて初日4位、パトリック・サンデルが6位、クリス・アトキンソンは8位にとどまっている。