WRC2021/01/09

英国でのWRC開催が2年連続で見送り

(c)Hyundai

 8月19〜22日に開催される予定だった世界ラリー選手権の英国ラウンドがCOVID-19パンデミックの影響によって今季の開催を見送ることになった。英国での世界ラリー選手権ラウンドが開催されないのは2年連続となり、代替えとしてイープル・ラリー・ベルギーがWRCカレンダー入りを果たす。

 2021年の世界ラリー選手権の英国ラウンドは、ウェールズ当局がイベントへの資金提供をストップしたことから、北アイルランドに舞台を移し、ベルファストをベースとしたラリー・ノーザンアイルランドとして開催する話し合いが進んできた。しかし、北アイルランド観光局がCOVID-19の状況をふまえて今季の開催への支援を認めない決定を下したという。

 WRCプロモーターのヨナ・シーベルは、北アイルランドで提案されていた英国ラウンドの延期決定を惜しんだ。

「今年WRCが北アイルランドの美しさを楽しめないのは残念な決定となるが、パンデミックは世界経済に影響を与え続けている。WRC開催への熱意は依然として強く、2022年に向けた話し合いを続けていくことを楽しみにしている」

 ラリー・ノーザンアイルランドのプロモーターであるボビー・ウィリスは、パンデミックを取り巻く状況のため、今年のWRCイベントを成功させるために必要な公的資金が不確実な状況となったと説明した。

「北アイルランド観光局は、2021年にラリー・ノーザンアイルランドを開催することは、地域を世界にアピールするためのポジティブな機会であり、北アイルランドのモータースポーツの遺産を祝うのに役立つと認識している」とウィリスは言った。

「WRCの開催はこれまでの歴史においてホスト地域に経済的利益をもたらしてきたが、COVID-19は実質的なその利益を減少させる可能性がある。そのため現時点では公共投資にとって見合わないとの判断がある。我々は2021年の状況を受け入れ、2022年の開催に向けての道筋を探るための議論に集中しなければならない」

 英国が2021年のWRCカレンダーから外れるという発表を受け、モータースポーツUKのCEOであるヒュー・チェンバースは次のようにコメントした。

「COVID-19の経済状況を背景に、2021年のWRCカレンダーで英国のポジションを確保するために必要な資金調達が合意に至らなかったことは残念なことだ。モータースポーツUKは、WRCカレンダーへの早期復帰に向けて、持続可能な資金の確保に努めている。こうした努力には、英国のファンが世界ラリー選手権の素晴らしいスペクタクルを一日でも早く楽しめるように、ウェールズ政府や他の地域との緊密な対話を維持することも含まれている」