WRC2023/01/23

藤原とうふ店シュコダがモンテWRC2で優勝

(c)RedBull Content Pool

(c)Citroen

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 ラリー・モンテカルロのWRC2カテゴリーでは、トークスポートWRTのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRS Rally2)がヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)の追撃を抑え、WRC2優勝を果たした。

 グリアジンはモンテカルロの初日、「藤原とうふ店(自家用)」というステッカーをシュコダのリヤフェンダーに掲げてチュリニ峠で最速タイムをマークしたことで、すっかり日本のラリーファンにもその存在が注目されることになった。

 土曜日には一時45秒以上のリードを築いたグリアジンだったが、この日の最終ステージでフロントパンクをパンクしたため、リードを15.2秒まで落として日曜日に行われる4ステージのファイナルに臨むことになった。

 それまでの3日間の流れから見てもグリアジンの勝利は確実にも見えたが、2位のロッセルが最終日に思ってもみなかった反撃に転じる。ロッセルは、新しいソフトタイヤをグリアジンより1本多い6本残しており、日曜日の最初のステージのSS9リュセラム〜ラントスで一気に4.7秒を縮めて、さらに続くSS10コル・ド・チュリニのステージでも連続してベストタイムを奪い、わずか9.7秒差に迫ることになった。

 グリアジンも、リュセラム〜ラントスクの2回目の走行で反撃に転じたものの、タイヤのダメージは大きく、最後のパワーステージでも10.1秒のリードを保つために必死に走行、どうにか4.5秒の差をつけてロッセルに勝利することになった。

「フロントタイヤが完全にダメになってしまって、かなりアンダーステアになってしまったけど、とにかくラインをキープすることに徹したよ」とパワーステージを走り終えたグリアジンは安堵の表情で語った。

 ロッセルは、木曜日のオープニングステージのスタートラインでエンジンを止めてしまい、少なくとも5秒を失ったことが惜しまれるが、選手権のためにも2位は満足できると語っている。

「週末を通して限界までプッシュした。マシンは決して簡単ではないけれど、僕はここにいるし、2位でフィニッシュできればチャンピオンシップを考えると悪くない。週末を通してミスはなかったし、パンクのリスクが高いときは少し慎重に走ったんだ」

 日曜日の朝、ペペ・ロペス(ヒョンデi20 N Rally2)とステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 Rally2)は3位をめぐって激しくポジションを入れ替えたが、ルフェーブルがSS16でスタート直後にパンクに見舞われて交換のためにストップ、4分以上遅れて9位まで後退したことで決着がついた。ルフェーブルは、「スタート時点では異常なかったが、最初のコーナーまでに突然リム落ちしてしまった・・・」と残念そうに語った。ロペスはゴール後、「土日を通して燃料サージに悩まされていた」と告白、最後までバトルが続けば最後まで表彰台の最後の行方はわからないところだった。

 また昨年、WRC2オープンで2位となったチェコの新星エリック・ツァイスは今年は新しいシュコダ・ファビアRS Rally2でのデビュー戦となったため表彰台にはとどかなかったが、元Mスポーツ・フォードのワークスドライバーであるアドリアン・フールモー(フォード・フィエスタRally2)を抑えて4位を守っている。

 モンテカルロの歴代ウィナーとして注目されたフランソワ・デルクール(シュコダ・ファビアRS Rally2)はWRC2で10位でフィニッシュ、WRCマスターズカップでは昨年の王者であるマウロ・ミーレ(シュコダ・ファビアRS Rally2)を4分34秒引き離して優勝を飾っている。