WRC2017/12/25

【TOP10-第8位】アンドレアス・ミケルセン

いつもすべてが思い通りに行く人生はない。しかし、アンドレアス・ミケルセンは試練の一年に耐えて、彼は新しいキャリアをスタートするための確かな足がかりをつかむことになった。

■アンドレアス・ミケルセン

最高のチームとマシンをもって4年続けて世界制覇を成し遂げたフォルクスワーゲンが2017年末に撤退を決めたことによって、ミケルセンは一転してキャリア存続の危機を迎えることになった。

シートを失ったミケルセンは、シュコダ・モータースポーツのファビアR5にステップダウンしてWRC2カテゴリーでシーズンをスタート、VWポロR WRC2017をプライベーターが走らせるプロジェクトが承認されることに期待を掛けるが、FIAがホモロゲーションを認めず、このマシンでの優勝争いをするという将来の計画は完全に白紙となってしまう。それでも彼はサルディニアにおいてシトロエンからスポットで参戦するチャンスを手にする。

ミケルセンはシトロエンでのデビュー戦ではC3 のフィーリングに慣れないままに8位に終わり、さらに不振のクリス・ミークに代わって出場したポーランドでも9位に留まっている。

ミケルセンはグラベルにおけるC3 のハンドリングには苦しんだが、ターマックでは一転して速さを見せることになる。シトロエンでの3戦目となったドイツで、ミケルセンは金曜日にラリーをリード、その後、オット・タナクと激しく首位を争ったあと土曜日の朝にタイヤチョイスを失敗、いくつかのミスが重なったために2位に終わることになったが、このパフォーマンスは決定的な役割を果たすことになり、ミケルセンはヒュンダイとスペイン、GB、オーストラリアでのドライブとともに2019年までの2年間にわたる長期契約を結ぶことになった。

ミケルセンはヒュンダイでのデビュー戦となったスペインで初日のグラベルステージでいきなり首位に立って世界を驚かせたが、二日目のターマックステージではペースを上げられず、けっきょくサスペンションを壊してデイリタイア、最終的に総合18位でラリーを終えている。前戦とリンクしているディファレンシャルのセットアップを使用する必要があったため、ヘイデン・パッドンのセッティングのまま、グラベルからターマックへの変化にうまく対応できなかったことも災いした。

ヒュンダイに移籍して2戦目となったラリーGBではトリッキーなコンディションのなかで初日は7位に甘んじたが、二日目には5位まで浮上、最終日には2回のベストタイムを奪い、ヤリ-マティ・ラトバラを抜き、さらにセバスチャン・オジエにも4.6秒差に迫って4位でフィニッシュすることになった。前年までチームメイトだった二人とポディウムをめぐるバトルができたことは彼にとって大きな意味があったはずだ。

最終戦オーストラリアでは初日に首位に立ち、一年ぶりの勝利が期待されたが、土曜日のニューリーのステージでダブルパンク、スペアタイヤは1本しか搭載していないため無念のリタイアとなっている。勝利はならなかったが、ここでシーズンは終わったとしても、キャリアが終わったわけではない。はじまりの一歩であることのありがたさを彼は痛感しているようだった。

「僕はワールドチャンピオンとなるためにヒュンダイと契約したんだ。ここから僕のキャリアの後半をスタートする感じだよ」。これから2年にわたってともに戦うことになるチームとマシンへの手応えは十分、多少の足踏みはあったが、彼は将来の目標に向けてふたたび力強く歩み出したことを確信している。

生年月日:1989年6月22日(28歳)
選手権ランキング:12位
獲得ポイント:54点
ベストリザルト:2位
優勝回数:0回
2位の回数:1回
3位の回数:0回
表彰台回数:1回
出場回数:9回
ベストタイム回数:10回
リードしたステージの数:16SS
リタイア数:0回
ラリー2の回数:2回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:6点